Clap

□拍手A
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デッキチェアで牡蠣を剥くサンジくんのそばに、みかんの籠をとすん、と置く。

気付いたサンジくんはパッとわたしの方へ振り返ったけど、わたしは顔は見ずに隣のデッキチェアに座る。

みかんの品定めを始めながら、時々いくつか無言で彼の膝に置いていく。


牡蠣の殻剥きを終えたサンジくんは、濡れた布巾で手を拭くと、デッキチェアの背を軽く倒す。くつろいだ態勢で、今度はひざに置かれたみかんをおなかに移動させると、ひとつずつ眺めてはテーブルに置く。


わたしはみかんを一通りチェックし終えた頃、彼のおなかの上のみかんもテーブルに移動し終えたのを確認。わたしは、ころん、とスペースの空いた彼のおなかに頭を乗せた。


彼の膝の上に手を置いて、それをぼんやり眺めてから目を閉じる。


彼の左手が、そっとわたしの髪を撫でた。みかんのいい香りが鼻腔をくすぐる。


『淋しくなった?』


『ちょっと。』


『大丈夫だよ』


頭を撫でる彼の手をとり、自分の鼻先へ持っていく。


更に濃くなったみかんの香り。


その手の平に口付けて、両手で握りしめたまま眠りにつく。




彼の空いた右の手が、わたしの肩に置かれたのは、まどろみの中で夢か現つか区別もし難く。



ただ、絶対的な安心感によって、虚無感が薄れていったのは確かで。






頻度は減っても、なくなることはない、わたしの虚無感を



どうかどうか、その温もりで、溶かしてください




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ナミさんの心の傷は一生ゼロになることはないだろうけど、淋しい時はいつも、心を暖めてくれる人がいれば、いいなぁと思う。

デッキで牡蠣剥くサンジくんは、アニメオリジナル貝獣島の冒頭シーンパクり…参考に!したんすよ!




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