■蒼夏の螺旋 3

□前倒しの かぶりつき
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かぶりつきというと、
本来というか
広く使われる言い回しとしては、
演芸や芝居など
齧りつくように
間近で観るようなとする
舞台などへ
ずんと間近な場所のことを言い、
相撲で言ったら土俵際の砂かぶり、
コンサートなら
舞台を取り巻くアリーナ席、
もちょっと下世話な舞台の
〜〜〜のことを指すほうで
知られていたものだが、

 「最後のは何なんだ?」

おや、聞こえませんでしたか?
18歳未満はお断りの例のアレですよvv

 「??」

判りませんか? おかしいな。
あ、もしかして18歳未満でしたか?

 「…あっ、いやいや、
  そそそ・そうかそうか、
  アレかアレだよな、
  うん。////////」

やっぱ判ってない方に
500ベリー。(大笑)


  ……とかいう、
  保護者というか
  旦那に殴られそうな、
  調子づいた冗談は
  さておいて。(まったくだ)






新しい年が明けた一月中は、
縁起物だったり
“初”がつくよな行事も
たんと押し寄せて。
お餅を食べたり おせちを食べたり、
コーチをしている
子供たちのサッカーチームの初練習で、
思い切りはしゃいだ揚げ句、
何故だか凧揚げ大会になだれ込み、
団体優勝しちゃったり。
成人の日に開催された
ご町内ハーフマラソン大会で、
飛び入り参加したゾロが
何故だか途中で迷子になりかかり、
道を訊いた人が何と空き巣だったため、
途中から
捕り物騒ぎになっちゃったりもしてと。
美味しかったり楽しかったり、
思わぬ騒ぎにワクワクしたり、
様々に堪能し尽くした
ルフィさんだったようですが。
つか、たった一カ月の間で、
どんだけ
波瀾万丈な人たちなんでしょか…。

 「二月と言ったらこれだよなvv」

まだ一月が
1週間ほど残っておりますが、
そこは…企画部のエースを
旦那に持った身の奥方ゆえ、
歳時のいろいろ、
微妙に前倒しなものとの
お付き合いも多々あって。
二十四節季の大寒の次、
立春が来るその手前に
待ち受ける例の行事こそ、
食いしん坊の若奥様を
奮い立たせもするらしく。

 「というか、
  試食はさんざんしただろに。」

もう一生分は喰ったぞなんて、
勇ましくも豪語していたのは
何処のどどいつかと。
困った奴めという苦笑と共に、
リンゴ箱ほどはあろう
大きめの保冷仕様のケースを
帰宅した早々、
どどんとテーブルへ置いた
旦那様にしてみても。
奥方が嬉しいのなら自分にも嬉しいと
言わんばかりの笑顔では
あったのだけれども。

 「早く見せろってvv」
 「判った、今 出すから。」

まだ背広姿のまんまながら、
勿体振るつもりは
さらさらないご亭主が、
パックの蓋を
ぐるりと巻いていたテープを剥がせば。
待ち切れないと横合いから伸びた手が
ぱかっとその蓋を
勢いよく開ける
コンビネーションの見事さよ。
そんなしてご開帳あそばした
ケースの中に入っていたのは、
黒々した外装にくるまれた、
何本もの巻物…に見えなくもなかったが。
食いしん坊めというノリの中、
今更、忍者ごっこや
埋蔵金発掘ごっこを始めても
しょうがない。
もうお判りでしょうねの、

 「恵方巻き〜〜っ!」



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