愛と憎悪の協奏曲
□標的00
始まり
1ページ/2ページ
日が暮れはじめ、辺りがオレンジ色に染まる。
珍しく部活が休みだったので、活動をしている運動部の声を遠くに聞きながら渡り廊下の手すりに寄りかかって空を眺めていた。
「(私の任務はもうすぐ終わり…次の段階ではあの子達がここにくる…)」
大切な仲間のことを思うと、ため息をつかずにはいられない。
そんなときいきなり声をかけられた
「 ちゃん」
振り返れば一番会いたくない人物がそこにいた。
「………何かな一ノ瀬さん」
苛立ち押し殺し返事をすると、一ノ瀬梨花は顔を歪める
「ムカつくぅ、なにその態度?でもいいや、今日は特別に許してあげる♪」
「どういうこと?」
「えっとねぇ、終わりにしようと思って♪」
何度聞いても慣れない猫なで声…気持ち悪い
それでも一ノ瀬は喋るのをやめない