短編集

□はじめまして、こんにちは
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『ユーリ!』


「ん?あぁ、リルか。おはようさん」



ギルド・アドリビドムの拠点であるバンエルティア号の朝、リルフィレミアがユーリのもとを訪ねるのは既に周知のことだ。



「リル、おはようございます」


『おはよう。ユーリ、エステル』


「今日はいつもより早いですね?」


『うん!今日、お出掛けする日!』


「そういや今日か…」



通常よりはしゃいでいるリルフィレミアはきゃらきゃらと笑い声をあげる。



「んじゃ、おめかししなくちゃだな。ほら早くイス座れ」


『はーい』



ユーリは素直にイスへと腰掛けたリルフィレミアの髪をすく。くしが通ると長い黒髪がさらに輝きを増した。



「…ユーリばかりズルいです。私もリルの髪を結いたいです」


「オレのせいじゃねーだろ?」


「そうですけど…」



肩をおとしてしまったエステルとは逆に、リルフィレミアは上機嫌で足をぶらぶらさせている。そんなリルフィレミアの笑顔を見たエステルは「しょうがないですね」とつぶやいた。


 
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