RPS
□輝
1ページ/10ページ
桜の花が実を結ぶ頃。転校生がやってきた。
彼の名前は、一 十一。イチと書いて、ニノマエと読む。
ニノマエ ジュウイチくん。
私は今まで彼に興味が無かった。彼はクラスの子と馴染もうとせず、文化祭や体育祭、修学旅行といったイベントも欠席しがち。同じクラスでも話す機会はないし、彼自身、人と話すことはあまりしなかった。
だから、彼が不登校になっても知ったことじゃなかった。
それなのに、何が起きたというのだろう。
「今日からこのクラスで一緒に勉強していく…」
「…はじめまして、一です」
私は、彼が転校してきた5月に巻き戻されてしまったのだ。
→