女子高生探偵

□FILE.32
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テキーラの死と大黒ビルの爆発…この二つに一体どんな関係があるというのか。

テキーラは、ある組織に属していた。裏社会に身を置く、危険極まりない連中が集まるその組織は、武器の製造から密輸、麻薬や覚醒剤の取引は勿論、拉致・監禁・殺人は息をするように行われ、独自に化学薬品を開発・研究し、人材育成プロジェクトも極秘で進められていた。

『裏切り者には死を以って償わせる』

それが組織のルールであり、仲間同士での殺しは日常的に行われている。そんな組織に所属するテキーラが、組織とは関係なく死んだ。正しくは、組織とは関係なく殺された。不運にも、彼はゲーム会社社員のいざこざに巻き込まれ、命を落としてしまったのだ。

テキーラが殺されたことを知った組織が次にすること…それは、テキーラが存在していたとする証拠の隠滅だ。テキーラが最期に行っていた仕事に関係する場所に何らかのアクションが起こるはず、と私は推測した。

そして起きた。大黒ビルの爆発事故。

これはもう、ヤツらが動いたとしか考えられない。
私はTVの電源を落とし、リビングを出た。二階に上がり、廊下の突き当たりの部屋の前に立つ。ポケットから取り出した鍵でロックを解除し、開かずの部屋を開け放つ。
部屋の中は、まるで蜘蛛の巣のように、赤い糸が張り巡らされていた。
赤い糸は、壁から壁へ、四方八方に散らかるように伸びているが、入り口から部屋の中心部には引かれていない。その壁には新聞の切り抜きや写真、手書きのメモなどが貼られている。これらは全て、組織が関わったとされる事件の情報だ。
あちらこちらに点在する組織の情報を、この赤い糸がひとつにまとめてくれている。いつか、この赤い糸が事件を解決してくれると信じて。私は壁に、新たな情報を書き加えるのであった。


end

『ゲーム会社殺人事件』が起きた時の話。無理矢理すぎると思いつつ、夢主が組織を追っていることを示唆させたかった。Text.03で組織のことを連想してます。夢主が感傷にひたったら組織の事を考えているのだと思ってください。こちらもそれが伝わるよう、最善を尽くします。
人材育成プロジェクトは、この物語内での設定です。夢主に関係します。
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