Wisteria

□〆
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【おまけ】
本文から漏れてしまった雑文。

*八郎の母ちゃん
「ちょっと銀さん!この人、髪の毛真っ白よ!待って、ヤダ!よく見たら目の色も違うじゃない!大丈夫なの!この人!」
「うるせえ!コイツは元からこんななの!出会った時からこんななの!」
「人の容姿をとやかく言う前に、行方不明リストの用紙に記入を…」
「なーに!この細腕!男のくせに何てひょろひょろなの!ちゃんとご飯食べてるの!毎日三食食べてるの!」
「イタタ…食べてますから、この用紙に記入を」
「んまぁ!嫌だわ、婚姻届なんて持ち出して!まだ出会ったばかりよ!いくらなんでも気が早過ぎない?でもごめんなさいね、私には主人が…」
「すみません、行方不明者届です」
「よーし、ババア。お前、保証人になれよ。で、どこにサインするって?」
「…仕事の邪魔をしに来たのでしたらお引き取りください」

*坂本と遭遇
「あれ?辰兄?」
「ん?おぉ!理央!理央じゃなかか!久し振りじゃのー、元気にしちょったか?噂じゃ行方不明だ聞いちょったき、またこうして会えてわしゃまっこと嬉しいぜよー!」
「僕も会えて嬉しいよ。辰兄も元気そうで…ってどうしたの?」
「おまん、まーだそげな可愛うない服着ちゅうがか?脱げ脱げ、全然似合うちょらん!特に黒でかっちりしちょる服はおまんには似合わんっちゃよ!」
「わわっ、ちょっと!辰兄までそんな…、これは制服だよ!僕、仕事中なの。かくかくしかじかあって今は幕府に…」
「アッハッハ、気にせんとわしがうんと可愛いくしちゃるきね。あこの店にちょうど理央に似合いそうな服が売っちょったんじゃ。それ着てわしとデートば行くぜよ。あ、金のことなら心配はいらん!全部陸奥に付けとくきに、遠慮せんでええが」
「辰兄ー!お願い、話聞いてー!仕事中なんだってばー!」
「アッハッハッハッハ!」

*志村家で療養
「僕は良いですって。何の連絡も入れてないから屯所に戻らないとまずいんですよ」
「何言ってるんですか!そんな体で戻ったら疑われるだけじゃないですか!屯所には僕が連絡しますから大人しくしててください!」
「結構です。一応、休暇設定なので言い訳なら何とでも出来ますから。自分探しの旅に出て交通事故に巻き込まれたといえば済む話です」
「済まねえよ!休暇中なら数日ここで過ごしても問題ないじゃないですか!理央さん、あなた、薬を飲まされたんですよね?いつ禁断症状が出ても可笑しくないんですよ」
「そんなこと言われたって、僕にも新八君にもどうすることは出来ないんですよ。転生郷は依存性のある薬だから欲に負けないように我慢するのは僕であって、新八君は僕が苦しむのをただ隣で見ていることしか出来ない。…それを見て楽しみたいって言うなら話は別だけど」
「違うから。アンタのとこのドSと一緒にするなよ。心配してるんです。僕も、神楽ちゃんも、銀さんも。似蔵から理央さんを斬ったって話を聞かされて、形見だと血付きの腕章まで渡されて…それを見た僕達がどれほど心配したか、理央さん、あなたに分かりますか?」
「………」
「せめて今日だけでもここに居てくれませんか?」
「…分かりました。今日一日だけなら。明日には帰ります」
「理央さん…!」
「………やっぱり、三日間、居てもいいですか?ちゃんとした言い訳が思い付くまで」
「あはは、良いですよ。ゆっくり考えてください。良ければ、僕も知恵を貸しますから」

*林檎仙人
「わぁ〜!まさかこんな立派な林檎をこんなにたくさん送ってくれるなんて!流石、晋助お兄ちゃん…じゃなくて、林檎仙人だよ〜!」
「マジかよ…」
「林檎仙人って本当に居たんですかィ…」
「んー、いい匂いがするー…」
「山崎、差出人は誰になってる?」
「書いてませんね。岩手県産、江刺りんごとだけ」
「え?江刺りんご?これ、江刺りんごですか?」
「有名な林檎なんですかィ?」
「岩手県産の『江刺りんご』といえば、一玉3万円の値が付いた超高級林檎ですよ!」
「えぇ!?」
「一玉3万ってーと、一箱5個入りでひぃ、ふぅ、みぃ…軽く100万は超えてまさァ」
「マジで何者だよ、林檎仙人…」
「選別で落とされた値下げ品だとは思いますが、高級ブランドに間違いはありませんし、これだけの量なので相当しますね。いやぁー、太っ腹!林檎仙人の誠意、いただきます!」


【参】END
 

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