Long Dream

□すれ違い 3
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浮かない気持ちのまま書類配達のため廊下へ出る。

足取りの重いまま歩いていく。


なんて虚しいんだろうか。




真子と少し距離が出たせいでこんなにも苦しくなるなんて、辛くなるなんて。




仲直りがしたい。

前みたいに笑って話がしたい。




「おい、何ボーッとしてんだよ」


声をかけたのは拳西。


いつもと変わらないきつい目付きは本人はしたくてしているわけではない。

まぁ、ある意味可哀想だな。





『ちょっと考え事を…』



「…だけどよ
…俺には元気無さそうに見えるけどな」




ずばり当てられギクリ。

確かに、考え事じゃなくて本当に上の空だったかもしれない。




『……』




何も反論することが出来ない。

拳西の言っていることは当たっているから。




「真子と何かあったのかよ」




また、そうずばりと当ててしまう拳西。

エスパーか!




『……少し喧嘩…した、かな』




黙っていた拳西がいきなり私の頭をわしゃわしゃと撫でる。
これが拳西の優しさなのだろう。



「…俺はお前らなら大丈夫だと思うぞ」




本当に不器用だなぁ。



でも、





『ありがとう』



「…おう」




ありがとう、拳西。

少し勇気出た。
真子とちゃんと話をしなきゃね。






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