□マリモン観察
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本日も雲一つない晴天。
これと言ったトラブルもなく敵襲もない、干された真っ白なシーツとクルー達の服をヒラヒラとはためかせながら海をのんびりと進むGM号。
朝食が済み、片付けと昼食の下拵えも済ませた俺は見張り台に来ている。

んんっ。平和だな
クワァと欠伸をして煙草をくわえた。
火をつけるわけでもなく、口寂しさを紛らわすように、口元で遊ばせる。
縁に体を預け腕を縁の外側にダラリと垂らし下の様子を伺うと、甲板でルフィ、ウソップ、チョッパーが釣りをしているのが見えただけで特に面白いものも見つからず、つまんねぇな、と体を起こそうとした時、パカリと男部屋の扉が押し上げられた。

おぉ!あれは毬藻の妖精、マリモンじゃねぇ〜か!!
普段この時間は寝てるあいつ。
暇潰しに少し観察してやろうと思った。
部屋から出たマリモンは目をコシコシと擦りながらキョロキョロしている。
なっ!?なんつー無防備な面晒してやがるっ!!
思わず身を乗り出し見張り台から落ちそうになっちまった。

目覚めたばかりのマリモンはフラリフラリと覚束無い足取りでラウンジへ向かっている。
途中、ルフィの手足に絡みつかれていたが振り解いて投げ飛ばしていた。
寝起きでありゃあキツいわな、と俺はマリモンに少しだけ同情した。
煙草に火をつけ、長く一息吐き出して再び視線を下へと向けると口をモゴモゴさせながらマリモンがラウンジから出てきた。
あいつ用においといたサンドイッチだ。
飯ぐらい落ち着いて座って食えっつーの!!
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