堕ちた恋
□星が輝く夜に。
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ついつい言い返したあたしは、ほんの少しだけすっきりする。
言ってやった。
言ってやったよ。
どうだ、この野郎!
両手を腰に当てて、ふんっと偉そうにのけ反ったあたしは、0こんま3秒くらいで我に返る。
「何考えてんの、あたし!」
今ので喧嘩になったらどうすんの?
あたし女一人で来てるのよ?
あっち男じゃん。
声で分かるけど、男じゃん。
何人いるか分かんないけど、あたし、バカじゃん。
大人しく素直に『ごめんなさい』したら良かったのに。
負けず嫌い?
負けず嫌いだったのあたし!?
そんな風に我に返っている間に何故か返事が返って来ない。
どうやら本気で怒らせたかもしれない。
ここはごめんなさいしてさっさと逃げよう。
愛車のスワンちゃんに慌ててまたがり、ハンドルを回して発進しようとする。