皇帝ペンギン1号!
□僕の恋事情
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佐久間が倒れ、デコッパチ(辺見)は慌てていた。
こんな状況、めったにないのだ。
あたふたしていると、源田と成神が通りかかるところだった。
「あっ!源田に成神!
大変なんだ、佐久間が・・急に倒れ て・・。」
「え?大変じゃないか!」
源田は冷静に佐久間の状態を確認した。
「・・軽い熱中症だな・・。
辺見、成神は水を買ってきてくれ。」
「おう・・。」
「分かりました!」
2人が駆け出していくと、源田は佐久間を日陰に連れて行った。
そして出来るがぎり佐久間の衣服のボタンを外した。(それは源田の理性が持たないため)
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源田は佐久間にほのかな恋心を持っていた。
源田自身はそれに気づいていなかったが、
周りの人間(佐久間を除く)には一目瞭然だった。
「佐久間・・大丈夫か・・?」
「・・・・。」
話しかけても返さない。
そのことが源田の不安を大きくした。
まさか、このまま・・、という感情だけが源田を襲っていた。
10分ぐらい経った後、辺見と成神が水の入ったペットボトルを何本か抱えて持ってきた。
「先輩・・っ!
買ってきま・・したハァハァ・・。」
「これで良いか・・?」
「汗だくじゃないか・・。
有り難うな。」
そう言うと源田は自分のタオルを2枚ほど取り出すと、ペットボトルの水をタオルにかけた。
1枚は佐久間の額に、もう1枚は佐久間の首に巻いた。
「・・じゃあ、これで俺らは帰るから、
お2人さん仲良くな。」
辺見がそう言った。
「・・!
さっ!帰りましょう!先輩!」
何かを悟った成神は辺見の後を追っていった。
源田と佐久間だけが、公園に残された。