BL

□本当は…
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もう夜。

少し冷たい風が、襖の隙間から流れている。



今日は久しぶりに、
皆でお酒を飲んで話し合った。


そんな時間もあっと言う間で、僕は今、一君と二人なんだけど。





さっき、僕の部屋にへろへろした一君をおんぶして連れ込んできた。





「そう…じ…っ」




一君が僕に、
自分からすがりついてくる。


こんな事、希少価値が
有りすぎるんだけど。







僕は、一君がこんなにお酒弱いなんて知らなかった。



多分、いつもはちびちび飲んでるだけだったから、分からなかっただけなのかも。



なんたって、今日は計り知れない量を飲んじゃってるし。



どうしてかは謎。
新八さんあたりに勧められたのかな。








一君、顔が真っ赤で目がうるうる。







可愛すぎるよ、まったく。







「何で一君、いつもはそーやって抱きついてくれないわけ?」


僕はそう尋ねる。





そしたら、








「ごめん…なさい…」





って泣きそうな顔で言う。


なんか口調変わってない?

可愛いから全然良いんだけど。






「これからは、毎日一君から抱きついてきてくれる?」



僕は笑顔で尋ねる。


すると、





こっくり。




って頷いて、
一君はさらに強く僕にすがりついた。







あーあ。もったいない。


明日になったら、またいつもの一君に元通りだもんなぁ。


 
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