Sakura addiction
□6.日常
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雲雀は悠理の肩で目を閉じ、眠っているように見える。
だが、眠ってはいないのだろう。
『 壊れそう きみみたいな花〜♪』
結局、最後まで歌いきってしまった。
『……』
暫くの沈黙……。
「あ、あの……雲雀、さん……?」
耐え切れなくなった悠理が切り出す。
「……もう少し………」
「え?」
小さな声に聞き返す。
「もう少し……このままじゃ、ダメ……? それと、歌って……?」
この状況で断れる人はいるのだろうか?
いるなら是非教えてほしい。
悠理の顔は赤いままだ。
鼓動なんてどんどん速くなっていく始末。
ああもう、どうしてくれようか。
「はぁ……」
ため息をついて、また新たに歌いだす。
結局これは、下校時刻終了のチャイムまで続いた。