テイルズオブザワールド〜黄昏の伝説〜

□旧友との再会
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翌日
バンエルティア号の1日はリリスがスタンとカイルに対して執行する“あれ”から始まる。

「秘技!死者の目覚めー!」
フライパンの音が船内中に鳴り渡る。
「うわっ!一体なんなんだ!」
がっつり寝ていた裕輔は跳ね起きる。
「朝の訪れを知らせる音だにゃ〜」
目の前に耳をしっかり塞いだ彩花がいた。
「そのニャはやめときなよ・・・」
「にゃは☆別にいいじゃない〜」
「お二人とも起きたようですね」
迷惑そうな顔をしたチャットが入ってきた。
「こ、この音は一体なんですか?」
まともに音を聞いてしまい少しクラクラしている。
「これはリリスさんがスタンさんとカイルさんを起こすための目覚ましですよ・・・」
ため息紛れにチャットが応えた。
「他の人の迷惑を考えて欲しいものです・・・ぼくには耐えられません・・・」
「と、ところで昨日のA・アンテナのことは・・・」
「そ、そうでした」
急に真面目な顔になった。
「A・アンテナについてはいいでしょう。今回あなたたちにはアンテナの点検に行ってもらいます」
「アンテナの点検?」
「アンテナはモスコビー砂漠の太陽の門、獄門洞の黄泉の門、ガレット森林区の穢れ流しの場の3箇所です」
「俺らがモスコビー砂漠に行った時はそんなのなかったけどな」
「あなたたちが行ったのは1層目、アンテナは2層目の最深部です」
「ねえねえ、今回はどこ行くの〜」
相変わらず緊張感の無い彩花だ。
「今回はガレット森林区の点検に行ってもらいます」
「ガレット森林区ってかなり寒い所だったよな・・・」
「ガレットのアンテナは付近に住む不思議な術を使う人が守ってるって聞きましたが・・・」
「不思議な術・・・か」
「それでは準備が出来次第出発してください」
微笑を浮かべながらチャットは部屋から出て行った。
静まりかえった部屋で不知火兄妹は顔を見合わせる。
「いきなり世界の平和を維持してる物の点検だなんて・・・」
「大丈夫なのかな・・・」
そんな空気の中ドアがノックされた。
「入っていいですよ」
ドアがゆっくりと開かれる。
「おはようございます♪」
そこにはにっこりしたエステルがいた。
「私たちも一緒に行ってもいいですか?」
「俺からも頼むぜ」
いつの間にか入っていたユーリが頼んだ。
「エステルがお前たちと友達になりたいって言って聞かないんだ」
「もうっユーリたら・・・」
少しはにかみながら言った。
「んで、どうするんだ?」
「勿論こっちからも頼むよ」
「ああよろしくな」
裕輔とユーリが握手をする。
「あたしたちも握手しよっ!」
「いいんですか!?よろしくね彩花♪」
「うんっよっろしくぅ〜」
こっちも握手する。
「さてそろそろ行くか」
「そうだな、早く体動かしてぇしな」
4人は他愛もない話をしながらガレット森林区に向かった。
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