見上げる俺を見下ろす、無限に広がる空に意味もなく手をのばす。
届かない。
手を握りしめて、こみあげる悔しさ、虚しさをおさえつける。
眩しい。
喪失感、よくわからない気持ちと、落ちてみようかと思う。
暑い、熱い。
手が届かないのは遠すぎるから、危険だから。
届かないんだ、届かない、手をのばしても。
「おい!」
まぶしい、あつい。
「おい!っ…ざけんな!」
とどかない、のばしても。
「やめろって!」
とどかない、から。
「ばっ…!!」
もっと、とどかないとこにいけば、
「手っ、のばせ!!」
―みえためがまぶしいかったなんて、ふれたゆびさきがあつかったなんて、なみだが、
わすれられる。
M:よくわからない。
2011/02/21