small love

□手をつなぎたいっ!
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『恭弥ー』




「何」




『うーん・・・なんでもない!』





恭弥と付き合ってはや一ヶ月
でも付き合う前と何の変化もなし
私からはいくらでもいくんだけど、恭弥からは何にもしてくれないんだ


もう少し恋人っぽくなったっていいんじゃない?って思いがちな今日この頃。


今日は向こうから手を出して欲しいんだ!





『ねー恭弥から手、つないで?』




下から目線でお願いしてみる





「なんで?」





『なんでって・・・つないで欲しいから?』





「必要性がないよ、」





『断られたー!』





あっさり断られた。
ここまで一刀両断されるとショックなんだけど!


私はショックを誤魔化そうと走り出した
すると前を歩いていた人にぶつかってしまった





『あ、すいません!』





「いってーなぁー・・・って君、かわいいね〜一人?
 どっか一緒に遊びに行かない?」





『いや、遠慮しておきます・・・』





「そんなこと言わないでさ、ほら」




男は私の手を引いた
私が繋ぎたいのはこんな人なんかじゃない!




「何やってるの」





「お前は・・・ひっ!」




男は恭弥の顔見るだけで青ざめていなくなった




『恭弥!助けてくれてありがとー!』





私は恭弥に飛びついた

いつものように受け止めてくれるかと思ったら今日は背中に手が回らない

不思議に思って見上げると、随分と不機嫌そうな顔ひとつ。





「何やってるのって訊いてるんだけど」





『え?』





さっきのって私に向けられた言葉だったの?





「繋ぎたいっていうの、誰でも良かったわけ?」





もしかしてさっきの男に手引っ張られてたこと、勘違いされてる?





『あれは向こうに引っ張られただけで・・・!』





「そう」





冷たい目でそういい捨て、先に行ってしまう恭弥

このままじゃ・・・!






『私がつなぎたいと思っているのは恭弥だけだよ!!』





町のど真ん中にもかかわらず、恭弥に向かって叫んだ

すると恭弥は振り返って





「おいで、ばか」





微笑んでそう言った

あぁ、なんて女を落とすのが上手な人なんだろうか





『ちょっと待ってー!』





恭弥に追いつくと恭弥は手を差し出した





『え・・・?』





「ほら、手、繋ぎたいんでしょ?」





あの恭弥が手を繋いでくれるって・・・!

そう思ったら少し涙が出てきた





『うん!』






手をつなぎたい!




(ほんと意味無いよ、これ)

(え・・・)

(だっていつも隣にいるじゃないか、これからも)

(うんっ!)







駄文ですいませんm(__)m
 

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