暴神が辿る道
□第陸箱〜クラス移動前日、データ〜
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今日は、クラス移動の前日…。
即ち、俺が十一組の生徒としていられる最後の日である。
「別れか〜。まぁ、色々寄ったりすっから言わなくても良い気がするんだが…。言うとするかな…」
とりあえず、教室に入ってすぐ阿久根の所に行く。
「やーやー、阿久根。おはよー。どうだね?息災かねー?」
あれ、コレ二度ネタ?
まぁ、良いか。
「燼か。まぁ、そうかな。で、どうしたんだい?」
また、挨拶しただけなのに用件聞かれた!
…………まぁ、今回は理由あるから良いけど…。
一応変なノリしとくか…。
「うぅ…、酷い阿久根。俺は用件が無いとお前に話し掛けちゃいけないのか?…お前を日は浅いが、親友だと思ってたのは俺だけだったのか?」
敢えて、アホな事をいう。
「……ッ!?すまなかった、燼。コレは言葉のあやというので…」
阿久根は何かマジで焦っていた。
何か悪いことした気分だ…。
「ゴメンゴメン。けど、やっぱ阿久根は俺の親友だー!」
「からかったのか燼!?」
あ、やっぱりバレました?
けど、コレで反省したよな?
次からは用件とか聞かんだろ。
「まあまあ、確かに用件は有るんだよね」
「……そうなのかい?何だったんだい?」
クールダウンしたみたいで、阿久根が用を聞いてきた。
冷静になんの早いなー…。
「俺明日から十三組に移動になんだー。短かったが、サラバだな。まぁ、今度柔道部に会いに行くよ」
「……はい?なんて言ったんだい?」
事態の把握が出来ないみたいで、阿久根が聞き違いかともう一度聞いてきた。
「俺クラス変わるんだよ。それで挨拶ってワケ。まぁ、今度柔道部に会いに行くから別れってワケじゃあねぇんだからあんま気にすんなよ?」
「……そうなのか……」
ヤバい。阿久根が何かしんみりモードに!
確かに阿久根とはかなり話してたけども!
会えないワケじゃないんだから、そんなにしんみりされても!
いや、けど何だかんだで嬉しいよ?
けど、敢えていうなら、こうやってしんみりしてくれる相手が名瀬ちゃんだと嬉しい!
……まぁ、名瀬ちゃんは無表情だが…。
しかし、名瀬ちゃんの感情を表す場面か…。
私的には見てみたいな…。
「まぁ、今度会いに行くし、あんま気にすんなよ?」
名瀬ちゃんの事を考えながらも阿久根と会話する。
何て器用なんだ俺!
……まぁ、普通かも知れんが…。
「…そうか、分かったよ」