暴神が辿る道

□第捌箱〜お話、風紀、検査〜
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次の日…。
俺は名瀬ちゃんのところに向かった。


(久しぶりの十一組だな…)


そう思いながらもドアを開け、名瀬ちゃんに話し掛ける。


「やー。名瀬ちゃん。おはよー」


「……燼くんじゃねーか。ここ十一組だぜ?」


聞いたか!?名瀬ちゃんが燼くんと普通に呼んでくれたぞ!?
感極まったぜ!


「知ってるさ!俺は、名瀬ちゃんと話しに来たんだからな!」


「……俺と話して楽しーのかよ?」


愚問だな!
俺は名瀬ちゃんの近くにいるだけで楽しい!


「勿論だ!楽しく無いワケが無いだろう!」


第一、本当に俺の事を知ってるのは、名瀬ちゃんと古賀ちゃん。それに今はいないが、めだかちゃんと善吉くらいだからな。


(それにしても、昔は酷かったよなー。力を抑えれるようになってどんだけ助かったことか…。)


多少昔の事を思い出す。


(本当に最悪だった。悪夢としか言えない。力を抑えられていなかったら今頃俺は……息をするかのように人を傷付ける存在となっていたな…)


コレは、俺の未だに隠している力の一つの事である。


「…そーかよ。じゃあ、好きにしろよ」


名瀬ちゃんの言葉で俺は現実に引き戻された。
本当に名瀬ちゃんには助かりっぱなしだ。


「名瀬ちゃん。俺の『あの力』を知っても、変わらずにいてくれてありがとう」


「…なんだよ。急に」


何と無くだ!気分だ!
ただ言いたかったんだ!


「何でだろうな?」


「…意味わかんねーよ。まず、燼くんは俺や古賀ちゃんを傷付ける気はねーんだから、気にすることじゃねーだろ」


名瀬ちゃん……。
励ましてくれるとは思わなかったよ。


「ありがとう、名瀬ちゃん!ヤベェ、愛らしいよー!」


アレ?俺これじゃ変態?
いや、我が思いの前では致し方あるまい!
すなわちコレは条理で有るのだ!


「…何言ってんだよ…」


やはりあしらわれたか!
名瀬ちゃんはそう来なくては困る!
あっさり受け入れられると名瀬ちゃんだとは思えないからな!
名瀬ちゃんはそれだからこそ名瀬ちゃんなのだ!


「ハハハハハ!」


次の目的は、名瀬ちゃんの素顔を見ることとしよう!
誰かについては、ある程度の予想は着いているのだがな!
って、包帯巻いてる名瀬ちゃんも勿論良いぞ?


「…何笑ってんだよ…。……燼くん。もうすぐ授業始まるから、また今度な」


何!?もうそんな時間なのか!?
致し方あるまい。
行くとするか…。
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