駄文
□銀色の死神へ
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最初に気になったのは髪だった。
僕と同じ白銀だけど、
僕のと違って君のそれは真っ直ぐでしなやかで、
初めて君を見たとき、
僕は世界が止まって見えたんだ。
戦場で全身紅に濡れながら、
恍惚とした表情で高く哂う君と光に煌めいて
銀色に輝く髪との対比に僕は瞳を奪われたんだ。
すごく神秘的で官能的な人、
いや存在のほうが近いだろうか。
死神と呼ばれ、殺戮を好み、
己に対する攻撃さえも悦楽へと変える君は、
心底殺し合いを愛していて、
強いものへと執着、
特に“織田信長”に対するあの粘着質なまでの
こだわりは狂人とさえ
いえる程のものだったよね。
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でも…
あんなに鈍く、
それでいて鋭く輝いていた瞳にはもう光がない。
あんな君がどうして今こうなってしまったの。
最高の殺戮対象がもういないから?
それとも………
―愛スル人ガモウ居ナイカラ…?―