君と僕の間にあるモノ。

□気になってる俺も相当バカだ
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( 視点・??? )




いつも、アイツは授業が終わって、帰る準備をすると、一目散に教室を出て行く。
誰よりも早く、アイツ以外の人間が一番に出るなんてほとんど無い。

少なくとも、オレは見た事が無かった。



「・・・・・・・・・、変な奴」




なんでそんなに急いでいるのか、それはこのクラスの奴皆が気になっている事だった。

教師からは、「家庭の事情」だとかなんとか言われて、全然教えてはくれない。

アイツは友達も作らず、何かやる時もほとんど1人でこなして見せる。
凄い色々な才能を持った奴。
オレからは少なくともそう見えた。

もうすぐで、オレ達一年生は進級の時期がやってくる。
なのに、全然クラスに、集団に馴染まない変わった女。





オレはさっさと帰ろ、と首にマフラーを巻き、手袋もはめる。
三月でもやっぱ、それなりに寒いから。
学校指定の中学生らしいカバンを持ち、とぼとぼと家路につく。


「そう言えば・・・あの女こんな寒いのに制服だけだったな・・・・」


なんとなく、ちらり、と脳裏に浮かんだのはあの女の寒そうな格好。
オレははっ、と気が付き、マフラーに口元を埋めてぼそり、と呟いた。


「何でオレ、あんな奴気にしてんだろう・・・・・、ばっかみてぇ」


別に好きな奴の事じゃねぇし、と心の中で言い訳。

確かに好きじゃない、とは思う。
だけど、なんか放っとけない、つい目で追ってしまような存在。

でも、コレが恋なのだとしたら、オレも相当変な奴には違いないだろう。
変な奴に恋してんのは、変だろ。どう考えても。

別に普通に可愛い女の子はいっぱいいるし。
仲良い女友達も少しは居る。
だけど、そのどれとも違う感覚。

恋なんてした事ねぇし、全然分からん。
だけど、なんとなく心にあるアイツへの気持ち。


「あーぁ、バカバカしいな・・・オレも」


なんとなく、苦笑。

オレはひゅうひゅうと吹き荒れる風に、少し身体を震わた。
寒い、寒すぎる。今年は異常気象か。

こんな日は、早く家な帰ってココアでも飲みたい。
コーヒーとか紅茶じゃないのはちょっとカッコ悪いけど。


「ココア・・・・美味いよな・・」


暖かいし、甘さも良い感じだし。
ゲームでもやりながらココア飲も。

そうと決まったら急がねばっ。

オレは走ればあったかくなる!!、とこんな人が居るかもしれない所では叫べないので、
心の中で叫んだ。
軽くジョギングするような気分で走った。

別に歩いて通学できるくらいだから、家と学校の距離は大して離れて居ない。

だから走って10分程で、家には着いた。













「アイツ、結局あんな早く帰って何やってんだろ・・」













また、脳裏に出てきた女の顔をブンブンと首を振って振り払い、
オレはココア作ろう、と台所へと向かうのだった。







"別にきっと恋じゃねぇ"




(うわっ、ココア分量間違えた・・・っ)
(・・・・・・・・ん・・、アイツ、甘いの好きかな)
(って、違うし。・・・・・・・・・・・(ゴクリ)、ココア甘過ぎる!)
 

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