恋に落ちた海賊王A

□いちご☆みるく
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 後片付けのため、空いた食器を下げに行ったミミィが
テーブルでいつの間にか談笑に加わっていた。

「え?じゃぁ・・・」
「あぁ!男なんてそんなモンだよ
な?シン?」
「オレに振るな。 そんなの知るかよ」
「ふふふ。そんな事言って、案外シンが1番・・・」
「わぁ!なんかシンさんのイメージが・・・!!」
「勝手にイメージ作って、それを崩すな!」
「でもよ〜、ナギ兄は・・・」


なかなかキッチンに戻らないミミィが気になり
ナギは食堂を覗いてみるが、何の会話をしているのか
イマイチ解からない。

「おい、ミミィ! いつまでも喋ってねーで手伝え」
ナギはたしなめるようにミミィに声を掛ける。
「あっ!ゴメン! 今行く〜〜」
ミミィは慌ててテーブルのお皿を重ねる。

「おっと、ミミィちゃんゴメンね引き止めちゃって」
「悪ぃ悪ぃ!ナギ兄、オレも手伝うよ」
「バカ、ハヤテ、邪魔すんなよ」
「そうですよハヤテさんがキッチンに入ったら
明日の朝食の材料が無くなっちゃいますよ?」
「シン!トワ!! そんな事しねーよ!」
「トワ、違うよ! 2人っきりになる邪魔をしちゃダメって事でしょ?」
「あ!そっか」
「そ、ソウシさん! 何言ってるんですか!!」

再び盛り上がるテーブルを尻目に、ナギは溜め息を吐いて明日の仕込みに戻る。

暫く経って、ミミィは申し訳無さそうに
シンクに食器を入れた。
「ゴメンね、遅くなっちゃって!
直ぐに洗うから!!」
そう言いながら、スポンジに洗剤をつけてサクサクと食器を洗い出す。

「ミミィ」
ナギは火にかけた鍋に色々な調味料を入れながらミミィに声をかけた。

「何?」
ミミィがナギの方を振り返ると
「別に、向こうで楽しんでてもいいぞ
いつもこっちを手伝わせてるから・・・
たまにはアイツ等と話したいだろ?」
と、食堂に目をやった。

「あ、えっと・・・私はナギと一緒にココにいれる方が楽しいよ?」
ミミィはニコッと照れたように笑って言うと
ナギもつられたようにチョットだけ笑い肯いた。

「あ、そうだ! あのね、シンさんに変わったモノ貰ったの!!」
ミミィは思い出したように泡のついた手を洗って
ポケットから小さな箱を取り出した。
「ほら、コレ!」

何処と無く女の子の好きそうなベージュとピンクの可愛らしい箱。
ナギは受け取って軽く振ってみるとサラサラと粉の揺れる音がした。

「コレは?」
「酒場の女の子に貰ったんだって!
シンさんの趣味じゃないからってくれたの」
「ふ〜ん? で、何なんだよ?」
「入浴剤らしいよ? 後で入ろうよ!」
「ふ〜ん? ・・・えっ!?」
それほど興味が無かったので適当に返事をしていたナギだったが
会話を反芻してみると、スルー出来ない事を聞いた気がした。

「あ、後で入ろう・・・?」
「うん! 中見たら2個入ってたから」
「・・・・・・」
「・・・ナギ?どうしたの??」
「いや、何でもない・・・」

ナギは、小さく息を吐いて空笑いをした。
もう一度箱に目をやる。
使い方が側面に書かれている事に気付いた。



 
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