☆バックナンバー U☆

□拍手お礼
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  ☆拍手お礼SS☆



 抜けるよな快晴。
冬の寒さと、乾燥した空気が
洗濯日和をいっそう際立たせる。


私は船中のシーツとカーテンを朝からずっと
洗っていた。

ハヤテさんは、無理やりにでも交換しないと
1週間でも1ヶ月でもシーツを変えないし

トワくんは気を付けないとシーツの中から
友達のネズミちゃんが出てくる。

シンさんのシーツは・・・


「マストにシーツが干してある船は
うちくらいなもんだな!」

私がガンガンと洗濯を続けていると
呆れた声が頭上から聞こえた。

「シン、さん!」

見上げた顔が、花が咲いたようにパァっと明るく輝く。

「手、出してみろ。」
私の手を強引に引っ張り、シンさんが両手で撫でる。

「真っ赤だし、冷えてるじゃねーか!
シーツやカーテンくらいトワにやらせろ」
ぶっきら棒に言うが、私の手を包むシンの掌は優しい。

「あ、あの、ちょっと、ついでだったんで・・・」
私は少しシドロモドロになりながらシンさんに言う。

「フッ」
その様子を見て、シンさんが意地悪く笑った。

「シンさん?」
私が不思議そうに見つめると

「昨日の跡、見られたら恥ずかしいのか?」
耳元に唇を寄せ囁かれる。

ゾクリと背筋を震わせシンさんを見る。
ジワジワと、顔が熱くなってくるのが分かる。

その熱くなったホッペをひと撫でして
シンさんは
「程ほどにしないと、霜焼けになるぞ。」
と、航海室に向かってしまった。


シーツに残る情交の跡。
シンの匂い。

早々に消してしまいたい羞恥。
いつまでも堪能したい心地よさ。


シンさんの後姿を少しの間眺めてから
私は快晴の空に洗濯物を増やしていった。



   ☆end☆

 

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