☆バックナンバー U☆

□拍手お礼SS
1ページ/1ページ


   拍手お礼SS☆


 陶器のような肌。
掌を当てると、その肌はぴったりと手に吸い付く。


「シンさん・・・」

私が振り返ってシンさんを見ると
腰の辺りから肩甲骨の所まで、するすると手を這わせた。

「んっ・・・」
ゾクッと身体が震え、鼻にかかった甘い声が漏れる。
私はそれが恥ずかしくて思わず口を塞いだ。

「声、抑えるなよ」
背後から抱きしめるように、背中に乗せていた手を身体の前へやり
肩に顎を乗せて私の顔を覗きこみながら言う。

その声が、耳に掛かってまたゾクッと震えた。
「はっ・・・し、シンさ・・・ん」

シンさんの手がお腹の上で組まれて
顎を肩に乗せたまま、耳朶を食んだ。

「やっ! くすぐった・・・」
ぞわぞわと泡立つようなこそばゆさに
私は身体を捩りシンさんを見ると
言葉ごと唇を奪われた。


「ん・・・っ」
背後から与えられる唇は思うように堪能出来ず
充足を求めて更に身体を捩った。

「ん、ふぁ・・・」
いつの間にか、背後から抱きしめられていた私は
正面から抱きしめられていて
シンさんの背中にギュっとしがみついた。

「・・・っ! 爪、立てるなって」
シンさんが眉を顰めて唇を離した。

「っあ! ご、ごめんなさい!!」
私は慌てて手を離すと
「イヤ、爪を立てなきゃ良いんだ・・・」
と、シンさんは私の手を戻した。

「・・・・・・」
キスに夢中で、必死に抱きついていたが
今更ながらに、素肌が触れ合っているその状況に頬が熱くなる。

恥ずかしさに俯いた私の顎をシンさんはツイっと持ち上げて
再び深く口付けた。

弄るように背中で掌が遊ぶ。
「気持ち良い・・・」
シンさんがポソッと呟き、私はシンさんの顔を見た。

「え? 気持ち・・・?」
私が首を捻って繰り返すとシンさんはフイっと横を向いてしまった。
その頬は赤くなっているようにも見える。

私はそんなシンさんを見れたことが嬉しくて
ツイツイ笑顔になる。

そんな私のホッペをシンさんが摘む。
「んっ! イチャイ(痛い)!!」
「ふっ ヘンな顔だな」

私とシンさんはジッと見詰め合って
一緒に笑った。


そんな風に、幸せな夜は更けていくのだ。




     ☆end☆
         11.5.8



 

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ