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□ハロウィン企画E トワ
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 ★拍手お礼小説E★

「わぁ! スゴイ、可愛い!!」
赤い生地に黒のレースでアクセントが付いたアシンメトリー裾のドレス。
黒いケープを纏い、黒に赤いリボンを着けたとんがり帽子を被っている。

私はトワくんが用意してくれた、魔女の衣装を着てはしゃいでいた。

「喜んでもらえて嬉しいです!
それに、良く似合ってますよ!!」
トワくんはホッペを赤くして私を見ていた。

「えへへっ! トワくんはまだ着替えないの?」
「あ、ぼ、ボクは・・・なんか、恥ずかしくて・・・」
ションボリと目を伏せる。
「なんで? そんなに可笑しな仮装をするの?」
私はトワくんの衣装が気になってしまった。


「可笑しいと言うか、ミミィさんが魔女だから、って理由で決めた衣装なので・・・」
恥ずかしそうに両手で顔を覆ってしまう。

「え〜〜っ! そんな事聞いたらますますみたいよ〜!」
私はトワくんの手を握り、顔を覗き込んだ。

「・・・き、着替えます。 着替えるので、外でちょっと待っててもらえますか?」
トワくんはモジモジと私を部屋から追い出した。


外へ出ると、ハヤテさんが各部屋を
「トリック or トリート!」
と回っていた。
見ると手には沢山のお菓子。

「たくさん貰いましたね・・・」
私は思わずハヤテさんのお菓子を見ながら声を掛けてしまう。

「ぉお! トリック or トリート!
お前はどんなお菓子を用意した?」
ハヤテさんは楽しそうに私の方へやってきた。

「そうだ! 私、ナギさんの所でカボチャのマフィンを作るんだ!」
急に思い出し、ハヤテさんを置いてキッチンへと走った。

「あ! お菓子〜〜!!」
後ろではハヤテさんが叫んでるけど、ハヤテさんをカマッてたらお菓子が間に合わないよ!

私はハヤテさんを振り返らずに走り去った。



ナギさんに教えて貰ったマフィンは、すごく簡単に短時間で出来た。
私はマフィンをカゴに詰めて宴の準備を手伝い始めた。

料理があらかた並んだ甲板で、私はふと物足りなさを感じた。

「あれ??」
指を顎に当て、考え込んでいるとシンさんがやって来て
「今日は相方は一緒じゃないのか?」
と尋ねた。


「あ〜〜〜! トワくん!!」
物足りなさの原因を見つけ、私は部屋へ向かおうとすると
船室の方から大きな袋を抱えたハヤテさんがこちらに向かって来ていた。

「ハヤテ、そんなにお菓子集めたのか?」
シンさんが驚嘆の声を上げる。
「違う! コレはお菓子じゃない!
おい、ミミィ! お菓子くれなきゃコレにイタズラするぞ!」

ハヤテさんは私に向かい袋を差し出す。
「な、何ですか? これ??」
私は怪訝な顔で袋を見た。

「・・・動いてる?」
「動いてるな!」
私が呟くと、シンさんも同じように呟く。

『ん〜〜ん〜〜ん〜〜!!!』

袋は動いているだけでなく、声も聞こえて来た。


「!!!!!」
私はやっと袋の中身が分かった。
「トワくん!」
ハヤテさんはニヤリとして
「トリック or トリート」
と、私に言った。


先程作ったマフィンのカゴをそのまま渡し、袋の元へ行く。
「トワくん! 大丈夫?」
袋の口を開けると、黒いフカフカしたものが出てきた。


「・・・可愛い・・・」


後から聞くと、私の目はキラキラしてトロケそうな表情をしていたそうだ。


それもそのはず。
袋からは、フワフワの黒猫に扮したトワくんが出てきたのだ。
耳が、シッポが、ヒゲが・・・
全部可愛い!!

私は思わず抱きついて、「きゃぁ♪きゃぁ♪」言いながら撫で回していた。
「ゎっ! ミミィさん・・・!!」
トワくんは真っ赤になりながら、私のはしゃぎ振りを喜んでいた。

「お熱いことで・・・」
シンさんは冷めた目で私達を見ていたが、可愛い黒猫ちゃんの前では何の効力も無かった。


「さぁ! 宴を始めるぞ!!」
船長がやって来てそう宣言しながら、私とトワくんを見て
「魔女に使い魔か、お似合いだな!」
と、笑っていた。



宴の最中。
ハヤテさんはお酒を飲みながらみんなに貰ったお菓子を眺めていた。
そして、私の作ったマフィンを口に運ぶ。

「あ、そうだ!」
ハヤテさんが食べてるのを見て、一つ思い出した事があった。

「ぎゃぁ!! か、辛ぃぃぃぃぃぃ!!!」


「ハヤテさん、カゴの中にイタズラ用のカラシ入りマフィンが混ざってるんですよ〜〜
って、遅かったですか?」

カラシ入りマフィンに悶えるハヤテさんを見て、今更ながらに注意をした。


 まぁ、トワくんのこともあるし・・・たまには良いよね?


そんな事を考えトワくんの方を見ると、トワくんと目が合い
通じ合ったように微笑み合ったのだった。



  ☆end☆



6番目はトワでした〜〜☆
忘れてる人が居なければ、コレで終了です!

ココまでお読み頂いた方、お疲れさまでした!
また機会があればお礼の何か付けたいと思いますので
良い案があったらご一報下さいね♪




 

 
 

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