小説

□ARCADIA NO1 (連載)
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   NO.0  バンド結成



「霞みゆく空背にして」 ・・・・Janne Da Arc

霞ゆく空背にして 僕はもう振り返らない
二度と逢えないとしても
君と逢えた めぐり逢えた 奇跡を抱きしめられたら
不思議にこの不安は消えるから

錆び付いたフェンスに登って 明日さがした 新しい自分を見つけたくて
少しだけ早い粉雪 指に溶けて 胸にしまい込んだ傷にしみた

口づけて 愛し方 教えてくれたなら
忘れ方も 教えてよ

霞ゆく空背にして 僕はもう振り返らない
二度と逢えないとしても
ためらいのない 想いだけが ただ一つあればいいから
春を待たず 新たな旅に出よう

僕の考えは間違いと 自分隠した 正しさが何かもわからずに
流した涙の数だけ 君を愛してた これだけは言えるよ間違いじゃない

ひび割れて 色褪せて やさしさが生まれて
君がいたから 勇気は育つと思える

霞ゆく空背にして 僕はもう振り返らない
二度と逢えないとしても
君と逢えた めぐり逢えた 奇跡を抱きしめられたら
不思議にこの不安は消えるから

かじかむ心見つめて 傷みと迷いの中で
強さの意味を見つけよう
ためらいのない 想いだけが ただ一つあればいいから
春を待たず 新たな旅に出よう




古くて、音が切れたり、がさついたりしてるこのCDを、
僕らは狭い楽屋の中で聞いていた。
あの日、あの時。
僕らがずっと一緒にいた日々、忘れかけていた愛。
その青春がいま心の中でよみがえってくる。


 春の岬中学校では、今年の1年生はとんでもないと言う噂がながれていた。
 それは、いい意味のとんでもないじゃなくて、
 恐ろしいくらいの問題クラス、と言う噂。
 噂の一年生登場まであと30分。

  ブー・・・・・
 アクセサリーや服、漫画で散らかったへやに、ケータイのバイブレーダがなっている。
 「はぁ〜。なにぃ?メェル??」
 8時30分という時間に起きたのは、今年1になる、東馬 樹(あずま・いつき)。
  
  樹へ

 持ち合わせまであと15分なんだけど、
 起きてる?

 メールの相手は雄介。樹の親友。
 樹=♀ 雄介=♂ 。だけど、なぜか2人は仲がいい。
 食パンを加えて、スニーカーをはき、家にいるのは自分だけ。
 玄関に「行ってきます」と別れを告げ、待ち合わせ場所に向かう。
 口についた焼きそばパンの青海苔を拭いたり、
 耳にピアスとイヤーカーフをつけながら、自転車のペダルをこぐ。
 キリシタンの証の、十字架のネックレスが、春風に揺れていた。


―――――――入学式を終え(さぼったともいう)自分のクラスに向かう。
 田舎町の中学校だから、生徒は少ないくせに、無理やりなクラスわけ。
 1クラス20人。
 樹のクラス、1−2は、どれも、だれも、“問題児”とマークされていた新入生ばかり。
 受験とか、そうゆうのじゃない学校だから、みんな知った顔。隣町の小学校にいたヤツラも入って、
 悪く言うと、うるさい。

 ―――――――それでも、一緒に居て、飽きないクラスだった。

  「麗(うるわ)〜つらかせよ〜。」
    「麗〜ここんとこわかんない」

 みんなは樹を“麗(うるわ)”と呼んだ。
 何故だというと、センパイで“樹”って先輩がいたから。
 それ以外はみんな何も知らない。
 そして、そのときから、7人の中心人物が、浮かび上がっていた。
 麗♀、勝♂、雄介♂、允♂、詩音♀、花音♀、希♂。

 毎日学校の屋上で放課後集合。
 屋上につくとみんなが待っていた。
 「麗〜遅いぞ。三分45秒遅刻。」
 「へいへい。で、大事な話ってなに?勝だっけ?言ったの。」
 「ああ。大事な話って言うのはさ、俺ら、バンドくまねぇか。」
勝以外一同「はぁっ!?」
  麗「バンド組むってこの、な、七人で!?」
  勝「あぁ。」
  希「楽器とか無いぞ。」
  勝「俺んちに全部ある」
花音・詩音「やりたいかも〜」
  勝「やろぉ〜ぜぇ〜」
勝以外一同「うん・・・・うんうん」

  
  これで、俺たちはバンド結成した。
  
  みんなJannne Da Arcのファンだったから、
  バンド名はARCADIAにした。




 
 

 
 

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