†右巻螺子†

□睡魔と…
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睡魔と窓のアルミニウム

湿って重い風の中

1人ぼっちで部屋の中
どこを見ても空っぽでガラスの眼から涙が落ちる…

アルミニウムに縋り付く
淋しい蝶の呼び声は

外の自由を求めては
鱗粉散らし女々しく嘆く

椅子に立って
手を差し伸べても
蝶は決して
捕まってはくれない

嗚呼…どうだろう…
私が怖いか?
嗚呼…そうだろう…
その強い指は
もがけばもがく程
お前を傷つけてゆく

悲しいだろう…
私は人間 小さな蝶と小さな葛藤

そして 刹那
そう 刹那

蝶は大空へ飛びたった
残された私は
唯 人間である私は

未練がましく
外を眺め
夢の中に自由を求めてもがく様に惰眠に耽る
睡魔が来た
瞼が閉じられる

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