小説
□バレンタイン
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「わあああっ!」
ガサガサガサッ。
勢いよく地面にばらまかれる、可愛くラッピングされた袋や箱達。
その数は数え切れないほどだ。
「いつき、大丈夫ですか?」
その落ちた箱達をしゃがんで拾い集める生徒会長・いつきに登校中のつぼみが話しかける。
「ああ、うん。毎年こうなんだ。
でもこれも今日で終わりだしね」
「すごいです……」
つぼみは(≡△≡;)みたいな顔をしてばらまかれたままのチョコを拾い集めるのを手伝い始めた。
しゃがんだ時に、いつきとつぼみの目が合う。
「ありがとう」