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□violation of the rules〜後日談〜
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――次の日
「爽〜っ!!昨日ごめんね!!一緒に片付けやってあげたかったのに〜っ!!」
「あ、ちづちゃん!おはよう」
「本当ごめんね。まさかウチら二人とも用事重なるなんてついてなかったわ」
「あ、あやねちゃんも!!そんな!!大丈夫だったよ!!」
朝一番、教室に爽子の姿を見つけると千鶴が爽子に抱き着きながら昨日一緒に片付けができなかったことを爽子に詫びる。
そのあと、丸で小さな妹を見るような顔であやねも続く。
「でも一人で大変だったんでしょ?怪我とかはしてないの…ってアンタ膝どうしたのよ!?」
可愛い爽子に怪我がないか全身に視線を配らせたあやねが、爽子の膝に貼ってある大きめの絆創膏を見留め、ひ〜!私の爽子のすべすべの可愛い膝が〜ッ!と青ざめる。
「あんのクソ教師!!爽子に片付けなんて押し付けるから!」
ちょっとシメてくる………
と半端じゃない殺気を込めながら呟くあやねを爽子が慌てて制止する。
「ち、ちがうのあやねちゃん!!こ、これは…移動中にジャージの裾を踏んでしまって転んでしまって…」
お恥ずかしい…と呟く爽子にあやねは無言でガシっと自分より小柄な爽子を抱きしめた。
「…本当、男だったら絶対爽子のこと嫁にしてたわ。あのヘタレ王子になんて渡さないのに」
口にはしなかったが、あやねは本気でそう思った。
「あ、あやねちゃん…?」
困惑する爽子の耳に千鶴の大きな声がはってきた。
「あれ、爽ここも怪我してんじゃん!!」
「え?どこかな?」
「ここ、ここ!!首んとこ…」
首と聞いた瞬間、あやねの目つきが変わった。
ギンッと目を見開き千鶴が指さす場所を見る。
―――――ピシッ
――…その瞬間、教室の空気が変わった…
と後日、2ーDの人々は口を揃えて言ったらしい。