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□Beautiful☆Girl〜おひろめ編〜
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パーティーの準備に勤しむ3‐Dメンバーの中で、もう何度目になるか分からないため息を吐く少年がひとり……
悪友である三浦とあやねに愛しの爽子を連れて行かれてから、かれこれ一時間が経とうとしていた。
ただでさえタチの悪いコンビだ。
しかも二人ともが尋常でないほど爽子に惚れ込んでいるとなれば余計に心配は募るばかり。
普段は聡明に開けた風早の眉間には悩ましい皺が深く刻み込まれていた。
「ちょー風早!俺らもそろそろ着替えいこー…ってナニ!?なんか怒ってんの!?」
いつもの風早とはかけ離れたその表情に着替えを誘いにきた友人は顔を蒼くした。
その言葉で自分がどんな顔をしているのかに気づいた風早は慌てて笑顔を浮かべた。
「あぁワリ!別に怒ってないよ…ただちょっと気になることがあっただけだし!」
「なんだ驚かすなよな!」
その笑顔に安心したのか
「じゃぁいこーぜ!」とサクサク前を行く友人の後に続こうとした風早の頭に突如ある人物の顔がよぎった…
(げ……なんか…嫌な予感がする…)
今し方頭をよぎったあやねの企むよにニヤリと笑った顔を思い浮かべ風早の背中をタラリと嫌な汗が流れた………
クラスの誰もが待ちわびたハロウィンパーティー。
今はまだ嵐の足音を潜めたまま
静かにそのヴェールを脱ごうとしていた…
Beautiful☆Girl
教室の装飾や食べ物の買い出しなどのセッティングを完了した面々はそれぞれ三浦・あやねがコーディネートした衣装に着替えて教室に集いつつあった。
いつもとは一風変わったクラスメイト達の姿に教室内はすでに異様な盛り上がりを見せていた。