long story*12/31姉僕8UP*
□姉さんと僕 2
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――放課後
俺と安藤とたまたま部活が無かった龍は、ジョーの委員会が終わるのを教室で待っていた。
くだらない話をしては笑い合う。そんな放課後独特の空気感が好きだ。
何となくうちの担任、ピンの話題で盛り上がっているとクラスメイトの林が俺の肩をたたいた。
「おー、林どした?」
何か用事があるのだと思いそう聞くと、林は口元に手を添えて内緒話をするようにコッソリと告げた。
「風早……呼んでる」
そう言う林の視線を追うと、教室の扉の前に見知らぬ女子生徒が緊張した面持ちで佇んでいるのが目に入った。
(―…またか………)
――高校に入ってからというもの、何度が同じことを経験したことがあるため、このあとのことはだいたい予想がついた。
……これが所謂モテ期ってやつなのかな…
「風早くんが好きです!付き合って下さい!」
(やっぱり…)
真剣に想いを告げてくる女子生徒を目の前にして、嬉しい気持ちよりも戸惑いが先に立つ。
やけに冷静な自分の思考に嫌気が差した。
―…そして俺はもともと用意してあったかのようにお決まりの台詞を口にするんだ…―
姉さんと僕2
――教室に戻った俺に安藤が声をかけてきた。
「風早モテモテだなぁ。……んで、OKしたの?」
「…してねぇよ」
「そっか、またダメだったか」
「………」
黙り込む俺に安藤はそれ以上何も言わず、ぽんっと肩を叩くとまぁ気にすんな!ジョーが帰ってくる前でよかったな、と言ってくれた。