long story*12/31姉僕8UP*
□姉さんと僕 4
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― トクン トクン
腕の中にある心地好い温もりに
瞼を伏せた。
合わさった胸から互いの鼓動が伝わる。
その感覚に思考が麻痺する前に伝えたい…
『あいたかった』と…
抱きしめる身体をそっと離しじっと綺麗な目を見つめ口を開いた。
……が、その言葉は第三者によって遮られてしまった。
「あのさぁ、お取り込み中悪いんだけど……営業妨害☆」
――夢見心地で完全に沸いていた頭にいきなり現実という冷水が浴びせられた。
姉さんと僕 4
「へーぇ。まさか爽子先輩と風早に関わりがあるとは思わなかったよ」
三浦の言葉で我にかえった時には顔が沸騰しそうな程だった。
未だに顔を赤くして俯く俺に三浦から声がかかる。
しかもちゃっかりボックス席の残り一つの席に腰を落ち着けている。
「本当驚くよなー!俺はてっきり風早がとち狂ったんだと思ったぜ!…にしてもなんか可愛い人だよな〜。で、どういう関係なんだよ?」
「あ、それ俺も気になる。」
刑事にでもなったつもりのジョーはさあ吐け!!と尋問まがいのことをしてくるし、三浦は視線で訴えてくるし、唯一冷静な安藤にまで詰め寄られてしまってはお手上げ状態だ。
(龍は運ばれてきたケーキを無言でモグモグと食べているけど…)
俺は仕方なく爽姉とのことを話し始めた…