long story*12/31姉僕8UP*
□姉さんと僕 6
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早く 早く 早く
あの場所へ
二人が離れてしまう前
最後の約束をしたあの場所へ
――もう一度あなたと『始まる』ために
姉さんと僕 6
俺は無心で足を前へ前へ進めた。
手の中には俺なんかより遥かに細い感覚。その腕を引きながら俺は向かった。
あの場所へ………
「しょ、翔ちゃん…?あの…どこに」
「…爽姉、この辺見覚えない…?」
意外と体力があるのかあまり息を切らしていない様子の爽姉が俺に問いかけてきた。
―この辺りは俺にとっては忘れられない場所のひとつだ。
爽姉がいなくなってからはなるべく約束通りに泣かないようにしてはいたけど…どうしても淋しくなったときはよくここに来てその度に爽姉を想って泣いた…