long story*12/31姉僕8UP*
□姉さんと僕 7
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離れていた時間の反動なのか
貴女に近づきたい衝動が止まらない
いつも どんな時でも忘れられなかったひとが目の前にいて
そのひとに恋している自分がここにいて
この想いを伝えたら
貴女はどんな顔をするのかな
いつものように笑ってくれるかな
伝えたい 伝えたいんだ
ずっと貴女だけがすきだったと…――
姉さんと僕7
「は〜〜〜………」
PM8:00
決して広いとは言えない俺の部屋はどんよりとした空気で一杯になっていた。
「…あ゛〜〜〜」
口から零れる言葉は意味をなさぬものばかり。
俺は頭をガシガシと掻くとベッドにうつ伏せで倒れ込んだ。
自分専用の少し高めの枕に顔を沈めて思い返すのは、先程別れた彼女のことばかり。
(………爽姉………)
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『……爽姉……あのね………』
湧き出る泉のように後から後から熱い想いが溢れ出て、俺の胸の中を焼いていく。
早く言葉にしなければ身体の中から溶け出してしまいそうだった。
捌け口を探してぐるぐると駆け回る熱が、とうとう喉元まで出かけた……その時
Pi ri ri ri〜〜♪
「電話だ…ごめんなさい少しいいかな?」
「え!?い、いーよいーよ!!!!!!」
大層申し訳無さそうに言う爽姉に出るなとは言えないので、俺は慌てて電話に出るように促しが……
俺はこの時にした選択を深く後悔することになってしまった…
爽姉は慌てて携帯を開くと、すぐさま通話ボタンを押してスピーカーを耳に押し当てた。
―…爽姉にだけ届くはずだった電話相手の声が俺の耳に飛び込んできたのはその一瞬後のことだった…