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□violation of the rules〜後日談〜
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「……ねぇ、爽子。昨日もしかして、風早来なかった?」
風早…
と聞いた瞬間、爽子は昨日のあられもない情事を思い出してしまい盛大に赤面する。
その反応を見たあやねは全を悟った。そしてその美しい顔を修羅のごとく歪ませる。
「???」
ただ一人状況が分かっていない千鶴が、あたまの上にいくつものクエスチョンマークが浮かんでいるのが見えるが、今はそれどころじゃない。
「あ…あのね…実は、あやねちゃんに聞きたいことがあって」
「ん?なに?」
そう、自分に言ってくる爽子に愛おしさを感じ殺気が少々和らいだ。
しかし、その後持ち掛けられた話の内容にあやねの怒りはまたぶり返すこととなるのだった。
今までも常に斜め前を行く彼女には驚かせられることは多々あったが、これほどまでに衝撃を受けたことは無かった。
その爽子の爆弾発言とは……
「あ、あのね…?とてもお恥ずかしいのだけど………え、と……そういう事をする時に何度もき、き、気持ちよくなっちゃうのってやっぱり私がとてつもなくはしたない子だからなのかな……?」
―― ビキッ
今度は空間に豪快にヒビがはいる。
千鶴にいたってはショックのあまり石化してしまった。
「…爽子それ、あいつに言われたの…?」
爽子は自分の肩に両手を置き、ずいっと迫ってくるあやねの迫力に多少驚く。
「あ、あいつ…って風早くん……?…なんと言いますか…………な、何度か『やらしい』とか『えろい』とか言われてしまって…やっぱり私がいけないんだよね…ッ」
ちょっと泣きそうな爽子をみてあやねの怒りは頂点に達しようとしていた。
― 今までそういったことに全く関わりがなかった爽子にとっては何度も絶頂を迎える自分の身体が恥ずかしく思えたのだ。
そして風早に言われた追い撃ちの言葉にもしかして自分はおかしいのではないかと思ってしまったのだった。
「…実際に、昨日は何回?」
(まぁ、2回とかなら平均くらいだしね。爽子が考えすぎてるのかもしれないし…)
まだ風早への怒りは収まらないが今は爽子のフォローが先だと考えて問い掛ける。
「よ………んか…ぃ…です…」