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□Beautiful☆Girl〜拉致監禁編〜
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半ば引きずるように連れて来られたのは今はもう使われることもなくなった旧資材室だった。
「あ、あの。あやねちゃん…?」
爽子は軽くデジャヴを感じる現在の状況に非常に戸惑っていた。
―…昨晩爽子の携帯に一通のメールが送られてきた。
送り主はあやねで、その内容は『明日の朝パーティーの準備を手伝ってほしいから早めに学校に来てくれる?』
というものだった。
なんの疑いもなく手伝いのために早くに家をでて学校に着いて、だいすきな彼に会えるなんて嬉しい偶然もあって。
そこまでは良かった。
しかし………
(この状況はいったい……!?)
「あ、こら爽子目閉じないの」
「はッ!すみません!」
「あ〜ほら貞子ちゃん
下向いちゃダメだって〜」
「え?こ、こうかな……」
目の前には様々な化粧品を広げるあやね。
後ろにはまるで美容師のように器用な手つきで髪に櫛を入れていく三浦。
「今日はがっつり仕上げるから覚悟しなさいよ〜」
「覚悟!?」
「ははッ気にしなくていいよ〜ただちょっといじるだけだから☆」
「は、はぁ…あのパーティーの準備は?」
「準備はこれよ。今回の主役は爽子!あんたなんだからね。あ、ちなみに教室の準備とか買い出しはちづと龍たちでやってくれてるから心配いらないわ」
主役が自分だという言葉に驚き顔を上げると、またあやねに窘められてしまったので再び視線を下に落とす。
素直に従う爽子にあやねは頬をほころばせる。
「…ねぇ爽子。あんたは今まで色々誤解を受けて生きてきたよね…でも違うことは違うってちゃんと誤解を解いてきたよね…」
私らの時みたいにさ…
あやねの優しい声に爽子はなんだか泣きそうになる。
「でもね…あんたも自分自身のことを誤解してるのよ?」
あやねのその言葉に爽子は目を丸くする。
(私が…私を………誤解…?)