long story*12/31姉僕8UP*


□姉さんと僕 3
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「初めまして…俺は風早…」




「……翔ちゃん……」



「そう翔ちゃん……て…え?」



「翔ちゃん…だよね…?」



俺は耳を疑った。
―でも、ほんの少し生まれた可能性を見過ごす術など俺は知らない。




「………覚え…てた…の…?」



俺はその可能性に必死に縋り付き、祈るような想いで彼女に答えを求めた。




「覚えてるよ…ッ―だって約束したもの…ッ」



――絶対に忘れないって



―…いま起きている出来事は夢なのではないだろうか……



ずっと逢いたかった彼女がそこにいて、その彼女が自分のことを覚えていてくれた……

夢じゃないとしたら……きっとそう……これは……




奇 跡




「翔ちゃん…本当に本当に翔ちゃんなんだよね…?」





彼女の震える声を聞いて胸が高鳴った。





――…気づいたら己の腕の中に細い身体を抱いていた。





―そして、ずっと呼びたかった名前を口にした……







「……そうだよ…翔太だよ……爽姉…」







―――爽姉―――






言葉にして、口に出して、声にして……



分かったんだ……






――俺の笑顔が行き着く場所はいつだって爽姉の所しかなかったんだって……







姉さんと僕4につづく





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