BOOK

□自己満足
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「好きだよ、フラン」

「そうですか、ありがとうございます」

「お前、いつでも俺に冷たいよな」

「ちゃんとありがとうって
言ってるじゃないですかー」

「そうじゃなくて。
俺、お前から好きって
聞いたことないんだけど」

「そりゃそうですよ。
なんで好きでもない人に
そんなこと
言わなきゃなんないんですか」

「好きでもないって」

「センパイ、何か勘違いしてませんか」



「ミーの好きな人は師匠で、
貴方の好きな人は前任です。
曖昧な関係に酔って、
目的を履き違えないでください」



「…俺、本当に
お前のこと好きなんだけど」

「ミーはそんな言葉が
聞きたい訳じゃないんですが」

「じゃあさ、俺の自己満足でもいいよ。
フラン、好き。大好き」

「ミーはそれに答えられませんよ」

「それでもいいよ、
俺の自己満足だから」

「…まぁ、それなら別に
いいですけど」



自己満足

(触れられた指先から滲む
暖かさに目尻が濡れた)





一方通行でもいいから
想いを伝えたいベルと
自分とベルの関係は
仮初めだて信じて疑わないフラン。
でも報われないことに定評のある
うちのベルフラにしては
割と救いようがある方です。
なぜなら最後の方、
ちょっとフランが泣いていますが
それはベルの想いが
伝わりかけているから。
ちなみにベルは本気。
フランが臆病なだけです。
 

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