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□望まれぬスケープゴート
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「…フラン、お前は
今の言葉を理解できたのですか?」

「何言ってるんですか師匠。
ミーは師匠みたいに
歳じゃないんでまだ」

「それ以上言うと刺しますよ」

「師匠のスプラッター」

「…お前は何を考えているんです」

「師匠、ミーは師匠に
言われたことに答えただけです。
そこに他意はありません」

「ならば尚更不可解ですよ、
お前の考えは。
僕はお前になんと言いましたか?」

「師匠が、ミーに頑張った
ご褒美くれるって」

「そうです。


ーならばその答えが何故
『殺して欲しい』なのですか」



「…別に、なんでも
いいじゃないですかー。
師匠なら造作もないでしょー」

「お前は何に拗ねているんです」

「拗ねてなんか」

「嘘を吐くのはやめなさい」

「やっぱり師匠に嘘は通じませんねー」

「当たり前です。
僕はお前の師なんですから」

「ちぇー」

「フラン、」

「分かってますよー、
ちゃんと話しますー」

「…ボンゴレがミルフィオーレから
未来を解放すればきっと、いいえ確実に
ミーはこの世界からいなくなります」

「…そうかもしれません」

「なら、ミーは
ご褒美なんていりません。
それよりも、ミーは
せめてミーの思うように
ここからお別れしたいんです」

「僕はお前にそんな物騒なことを
教えた覚えはないのですが」

「仕方ないじゃないですか。
ミーにはそれくらいしか
望みがないんです」



望まれぬスケープゴート

(壊れぬように抱き寄せたそれは
震えてすらいなかった)





脱獄後の霧師弟会話。
脱獄を手伝ったご褒美を
弟子に聞いたら自殺志願されて
びっくりの師匠。
フランは結構前から
自分が消えることに気づいていて、
もう折り合いをつけてしまってます。
うちの骸はフランに甘いうえに
身内の幸せを願う人なので
フランに縋って欲しいところ。
けどうちのフランは
諦め性で臆病なので仕方ない、の
一言で片付けてしまいます。

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