BOOK3

□遠回しな戯れ
1ページ/1ページ

「カエルー、起きてるかー?」

「残念ながらぐっすりですー」

「なんだよ、起きてんじゃねぇか」

「起きてるっていうか
今寝るところだったんですよー。
大体今何時だと思ってんですかー」

「知らね。王子は
時間なんかに縛られないから
時計なんか見ねぇし」

「その残念な価値観は
スルーするとしても、
今は夜中の三時ですよー?
普通こんな時間に
起きてる人の方が珍しいですー」

「でもお前起きてるじゃん」

「いや、たまたま任務で
遅かっただけですしー」

「ふぅん。ま、いいや。
それよりカエル、俺と遊ぼうぜ」

「夜中に遊ぶとか、
ミー的にも近所的にも迷惑なんで
勘弁してくださーい」

「やだし。王子眠れないんだもん」

「ならせめて一人で
遊んでてくださーい。
ミー本当眠いんで」

「それじゃつまんねぇじゃん。
俺はお前と遊びたいの」

「ミーで遊びたいの
間違いじゃないんですかー?」

「どっちでもいいよ。
ほら、早く起きろって」

「いーやーでーすー、
本当勘弁してくださーい」

「あーもう本当眠いと
駄々っ子だなお前」

「どっちが駄々っ子ですかどっちが」

「お前だろ。いいから早く構えって。
何週間遊んでないと思ってるんだよ」

「いい大人が遊べなかっただけで
機嫌悪くしないでくださいよー。
それに長期任務だったんだから
仕方ないでしょー?
それはミーのせいじゃありませーん」

「そうだけどさ。
でも王子つまんなかったし」

「なら隊長辺りに遊んでもらえば
良かったじゃないですかー。
あの人、結構面倒見いいから
なんだかんだで遊んでくれますよー?」

「それは知ってる。
俺ら何年来の付き合いだと
思ってるんだよ」

「それもそうでしたねー。
じゃあセンパイ、おやすみなさーい」

「おいコラ、勝手に寝るなよ」

「ゲロッ。…全く、安らかに
眠ろうとしてるコーハイに
ナイフ突き立てないでくださーい。
うっかり永遠の眠りについたら
隊長に怒られるのセンパイですよー?」

「お前殺されそうになっても
本当他人事みたいに言うよな」

「それで殺されたことないですしねー」

「まぁ、殺されてたら
今ここにいないしな」

「そういうことですー。
というかセンパイ、
まだ眠くならないんですかー?」

「うん、全然。
目ばっちり開いてんだろ」

「その邪魔な前髪で
一切見えませんけどねー。
…じゃあセンパイ、
仕方ないからミー
起きて遊んであげますよー」

「え、マジ?」

「結果からして大人しく聞いた方が
早く寝れそうですしねー。
で、センパイは何して
遊びたいんですかー?」

「んー、正直お前が
素直に起きると思ってなかったから
考えてなかった」

「センパイ、ミーと
遊びたかったんじゃ
なかったんですかー?」

「遊びたかったっていうか、
お前と話したかった。
んで、そのまま眠れれば
いいと思ってた」

「…?なんですか、それ。
意味が分かんないんですけど」

「寂しかったんだよ。つまり」

「…いきなり何言ってるんですかー。
ついに頭おかしくなりましたー?」

「ちげぇよ、だって本当だもん。
王子、お前が任務行ってる間
超会いたかったし。
じゃなきゃこんな時間に
突撃したりしねぇよ」

「これ、センパイが眠くなるまでの
暇つぶしじゃないんですかー?」

「そうじゃないし。だって王子
今超眠いもん」

「さっきと言ってること違いますしー。
というか眠いなら
明日にすればいいじゃないですかー」

「さっきは眠くなかったの」

「センパイ、自分が言ってること
支離滅裂だって分かってますー?」

「んー、少しくらい?」

「はぁ…、眠くなってる証拠ですねー。
今度はミーの目が冴えてきてるし…」

「それなら今度は俺が
お前眠くなるまで
付き合ってやるよ。


…だから、今日は一緒に寝ようぜ?」


遠回しな戯れ


(センパイ、結論に辿りつくの
遅すぎますよー)

(うるせ、さっさと寝るぞ!)





ベルフラ ほのぼの

果てしなく迷惑なヘタレ王子と
無駄に男前なカエルです(笑)
王子よりもカエルの方が
思考は女々しい気はしますが
行動や表情に出てしまう分
王子の方が女々しくなってしまう罠。
霧涙的がベルフラを書くと両方
女々しくなるような気もしますが(笑)

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ