BOOK3

□分かって、分かって。
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「ルッスさーん、いますかー?」


「あらフランちゃん、どうしたの?
私に話しかけてくるなんて珍しいわね」

「いえ、ベルセンパイを
見なかったかと思いましてー」

「ベルちゃんがどうかしたの?」

「あの堕王子、また報告書サボって
どっか行っちゃたんですよー。
最近しょっちゅう姿くらましますし、
一体なんなんでしょうねー?」

「フランちゃん、
ベルちゃんと何かあったの?」

「いえ、それが
何も思い当たらないんですー。
最近喧嘩とかもしてませんしー」

「知らないうちに
ベルちゃんの気に障るようなことを
言った可能性はないの?」

「ないですねー。
どうやら最近のセンパイは
ミーを避けてるみたいで
ロクに話しもしてないんでー」

「うーん、それなら
私も思い当たることはないわよ。
特別ベルちゃんから
何も聞いてないし」

「ルッスさん、ベルセンパイから
よく相談されるんですかー?」

「何も私に限ったことじゃないわよ。
けど、ベルちゃんはあんまり
機嫌悪いの隠せないから
愚痴を聞くことは多いわね」

「へー、ミーはベルセンパイに
悪態しか吐かれないんで
全然そういうのは聞かないですねー」

「…そうね、フランちゃん
ベルちゃんにしょっちゅう
色々言われてるものね」

「そうなんですよー。
でも、いくらなんでもミーに
あんな怒ったりしなくてもいいと
思うんですー。
まぁ、いつものことですから
別に構いませんけどー」

「…ねぇ、フランちゃん」

「はいー?」

「フランちゃんは
ベルちゃんが自分に怒ることを
どう思ってるの?」

「ベルセンパイが怒ることですかー?
普通に一過性の八つ当たりですかねー?
だから幾ら怒っても
いつものことですから
仕方ないくらいにしかー」

「やっぱりね」

「どういうことですかー、ルッスさん?
勝手に自己完結しないでくださーい」

「つまりね、
ベルちゃんはフランちゃんに
構って欲しいのよ」

「…構って欲しいから
相手をいじめるって、
あの人小学生ですかー」

「仕方ないわよ。
不器用だもの、あの子」

「不器用が理由でいじめられる
ミーのことも考えてくださーい」

「ふふ、そうね。悪かったわ。
けど、フランちゃんにも
もう少しベルちゃんのことを
考えてあげて欲しいわ」

「…はいー?」

「フランちゃん、
人が相手に怒るのは
相手に自分の事を
分かって欲しいからなのよ」


分かって、分かって。





ルッス+フラ+(ベル)

ベルは苛立ちが隠せないタイプ。
フランは苛立ちを
綺麗に隠す上に諦め性っぽい。
ルッスは相変わらずお母さん。

やっぱりフランとルッスは
定期的に書きたくなります。

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