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□magnet〜ver.日吉〜
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日吉に告白されてもう半年。
最初は何も考えてなかったわけじゃない。
ちゃんと付き合ったあとの周りの反応とか、ちゃんと考えていた。
それでも付き合ったのは、いつのまにか俺は日吉に依存していたからなのかもしれない。
束縛して、もっと必要として欲しかった。
全国大会を目前にして、関東大会の出来事が予想以上に俺の重りになっていた。
誰かに必要とされたい思いが、日吉に向けられたんだと思う。
愛しいなら執着を見せ付けて欲しかった。
それをしなかった日吉は、大人だと思う。
おかしいのがたまらなく好きになる。
同性愛だなんて。
一般じゃない。常識から外れてる。
分かれたほうがお互いのためになると分かっていたのに。
それでも俺は、日吉から離れられなかった。
迷い込んだ心なら、簡単に溶けて行く。
繰り返したのは、あの夢じゃない。
現実の俺たちだ。
触れてから、もう戻れないところまで来ていることに気づいた。
それでもいいと思った。
それほどに、日吉を大切に、必要に思っていた。
夜明けがくると不安で、泣いてしまう俺に。
“大丈夫です”
と囁いた
お前も泣いていた……?