想いの行方(仮)

□たどりついた、その先に…
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目を覚ますと、障子越しにまだ薄暗い東雲の空がいつものように、今が朝だと知らせてくれる。

もう起きて、着替えて、皆さんが集まる前に朝ご飯の支度をして。

そんな、いつもの朝。

でも、違うところがある。

私の手に握られたままの、白い紐―――沖田さんの髪紐。

あれは夢じゃなかった。

遅くなったけれど私の想いを伝えて、それに沖田さんがこたえてくれて…。


「…はやく、起きなきゃ」


触れた熱はまだ、そこに宿っていた。

けれど私は、何かを考えることを、あえてしなかった。
考え始めたら、時間に遅れてしまいそうだったから。

いつもは布団から出るのを躊躇う凍えるような寒さも、今の私にはきかない。

私はおろしたままの髪をまとめた。

けれど、髪紐がないことに気付く。

私の髪紐は、沖田さんが持っていってしまった。
いま手元にあるのは沖田さんのもの。

代わりがないわけじゃない。

けれど昨夜、沖田さんが私の髪紐を使って髪を結っているところを見たからかもしれない。

少し迷った私は、それを使うことにした。





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