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□大晦日の約束
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【千鶴ちゃんをねぎらう会】が無事(?)終了して向かう先は千鶴ちゃんと平助が毎年行っているという神社。そんなに大きくはないけれど、近所の人が集まるそこはたくさんの人で溢れていた。


「懐かしなぁ。去年ここに合格祈願に来たよなぁ。」

「そうだね。平助君てば【祈願】を【折願】って書いてたよね。」

「それでよくうちの高校に合格出来たな。」

三人が盛り上がっているなか、僕だけはその会話に入ることはなかった。


…さっきから二人の思い出話ばっかりで全然楽しくなんてない。


そんな話を聞きたくてこんなことをした訳じゃないのに。


『・・・ねえ、千鶴ちゃん。ちょっといい?』

「はい?」

『悪いけど、ちょっと千鶴ちゃんと話してきていいかな。』


二人の返事を聞く前に千鶴ちゃんの腕を無理矢理引いてその場から離れた。後ろから平助の呼び止める声が聞こえたけど、そんなものどうでもよかった。




千鶴ちゃんは、今日僕とろくに話していないことに気づいてる?




機嫌が悪いことを知ってる?




こんなに近くにいるのに全然僕の方を見ていない。




あの二人とずっと笑ってた。




そんな千鶴ちゃんを見ているのが限界だった。






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