短文。

□たった一つの
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ねえ



君は憶えていないけど



昔、一緒にいたことがあるんだよ





大きな瞳をもっと大きく開いて



見上げる仕草も変わらない







ずっと



ずっとずっと昔のこと







憶えていてほしかった



でも



憶えていなくてホッとした






笑って



傷ついて



泣いて



そして







このどこまでも自由な時代に生まれて



君を見つけて



また恋をした






君じゃないけど



泣きそうなくらい嬉しかったんだ







だから



もっと好きになって



もっとずっと



ほんの少しの不安も感じないくらい



一人じゃ息もできなくなるくらい



もっと好きになるから







過去の記憶より



これからの想い出を増やしていこう



それなら二人で憶えていられるから







だからさ



ずっと傍にいてよ







君は



僕の



たった一つの光だから





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