Another小説

□クロネコ2匹
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「才蔵?」


佐助が縁側で昼寝をしている才蔵を発見した


「才蔵 無防備すぎる 敵 襲われる」


佐助が寝ている才蔵を起こそうと手を伸ばしたら、黒い塊を見つけた


「…みゃぁ?」

――ズキューンッ!!

「な、なにこの子!?」

「にゃーん」


人の気配を感じ取ってか才蔵より早く起きた黒猫チャン

佐助が黒猫の頭を撫でようと手を伸ばした…が、


「に゙ゃーん!」

「な、何故!?」


毛を逆立てて佐助を威嚇する
動物に好かれる佐助にとっては珍しい光景だ


「……ぅん…佐助?」

「さ、才蔵…」

「何やってんだよ?」

「にゃーん!」

「あ!お前まだいたのか?」

「にゃ!」


才蔵の肩に軽い身のこなしで飛び乗り才蔵に甘える


「くすぐってぇって!」

「才蔵 その子…」

「ん?あぁー城に入ってきて一緒に昼寝してたんだ、なぁ?」

「みゃぁ!」


そうだ!と言うように頷く黒猫


「………」

「何だよ?ンな見詰めんなよ…」

「その子…」

「あ?触りたいのか?」

「…諾!」

「んー、ほれ!」


黒猫を持ち上げ佐助の前に出す
そー、と手を伸ばすも…


「…にゃん」

「Σ………!?」

「おっ!?」


フイッ、と佐助から顔を背け才蔵の手から抜け出して座っている才蔵の膝に陳とる


「……フラれたな」

「………!!(ガーン」

「珍しい事もあるんだなーお前が動物にフラれるだなんて…」

「………」

「おい?いつまで沈んでんだよ……ったくメンドくせぇ」


だなんてやり取りしていると伊佐那海や鎌之介や清海、弁丸に幸村と六郎が来た


「いたーーー!!才蔵いたーー!!」

「才蔵ぉ!今日こそ殺り合おうぜ!!」

「お前らウッゼ」


バタバタと喧しい連中が来た
で、いつもの如く才蔵の周りにはたくさんの声が賑わう

その騒ぎの中伊佐那海が黒猫の存在に気づいた


「わぁー!可愛い!!ねこちゃんだぁ!!どうしたのその子?」

「…城に入ってきた」

「ねぇ?抱っこしていい?」

「勝手にしろ…」


わぁーい!と、元気な声を上げ黒猫を抱き上げたが


「にゃん…」

「えぇー!?なんで?」


抱き上げた瞬間イヤと言わんばかり身を捩り伊佐那海の手から抜け出し、才蔵の膝の上にまた戻った


「佐助と一緒だな」

「佐助と?」

「コイツもフラれたんだよ猫にな」



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