Another小説
□クロネコ２匹
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えぇー！？佐助が？と周りが驚く
まだ佐助はヘコんでいる雨春が必死に慰めようとしていた
「ぶー！なんで才蔵に懐いてるのよーー！！」
「知るかよ…」
黒猫の首あたりを撫でてやるとゴロゴロと目を細めて擦り寄ってくる
が、しかしこの中に空気を読まない者がいた
「こんのぉ猫めぇえ！！伊佐那海を拒否するとは不届き千万！！悔い改めよぉぉお！！」
「ちょっ！？お兄ちゃん！！」
「バカか！！俺まで巻き込むな！！」
いつもの如く清海の伊佐那海可愛いさに周りに意味不明な攻撃を今日は猫目掛けて飛んでくる
猫がいる場所は才蔵の膝の上、必然的に才蔵まで二次被害なのだ
が、ところがどっこい
「ににﾞゃーんﾞ！！」
「ぎゃあーーー！！拙僧の顔がぁぁあ！！」
「「おぉ！！」」
黒猫が清海の顔に爪で網目状の赤い六本線を描いた
その見事な手捌きに周りがパチパチと拍手を贈る
「うわー……大丈夫？オッチャン……スゲー痛そう」
「……べ、弁丸…っ」
相当深く入ったのか今だもがき苦しんでいる
今の黒猫には、詰まらぬモノを引っ掻いてしまった…と己の爪にフッと息をかける
「凄いのぉ！あやつ」
「まるで自分の主人に手を出すな、と言った感じでしたね」
感心する幸村様と六郎さん
黒猫は任務完了！と言うようにまた才蔵のお膝元に鎮座した
「幸村様ぁ！この子飼っていい？」
「おぉ！猫の一匹や二匹どぉーってことない！！」
「…ちゃんと面倒見ないといけませんよ」
「ありがとうございます！！…ん〜じゃあ名前何てつけようか？」
「なに？コイツ飼うことになったのか？」
話が変な方向に飛んでいき話についていけない才蔵
「ん〜…団子なんてどぅ？」
「なぜに食い物？」
「黒いからクロでいいんじゃない？お姉ちゃん…」
「にゃん！」
またもやイヤと首を振った
「えぇー！才蔵も考えてよぉ〜」
「なんでだよ…」
「ご主人様でしょう！！」
「いつからそうなった！？」
「にゃーん！」
黒猫はキラキラした目で才蔵を見てくる
「ほら！才蔵につけて欲しんだよ！！」
「マジかよ…………………じゃあ、紅夜(こうや)なんてのはどうた？」
「紅夜？」
「コイツの額、月みたいじゃん、それに黒いし、目が紅いから…たがら紅夜」
「にゃーん！！」
それがいい！と喜び才蔵に甘える紅夜
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