小説

□雨のち虹
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2〜3日雨の日が続いた
…雨の日はいまいち調子が出ない…





「………ふぅ…」


いつもの虚退治に駆け出された一護
辺り一面雨独特の湿った臭いと共に虚が浄化される


「………戻んないと…」


一護は軽く地面を蹴って学校の屋上に置き去りにしてある身体の元へ瞬歩で向かった

雨の日は"あの日"を思い出す
…一護にとってはトラウマを引き出す雨


「………」


身体に戻り雨のせいで乾きってない屋上に立ちぼ〜と空を眺めていた


――ガシャン…


隣でフェンスが軋む音がした
驚いて音のした方へ向けば


「………冬獅郎」

「……よぉ」


現れたのはフェンスの上に立った冬獅郎だった


「さっきの虚倒したのか?」

「……おぅ」

「そうか。お疲れ」

「……気にすんな。いつもの事だ…」


静かなやり取りをする二人
いつもの勝ち気な覇気がない一護に眉を寄せる冬獅郎


「何かあったか?」

「……別に」

「嘘つけ……目の下隈できてんぞ…」

「……寝不足なだけだ」

「だけじゃないだろ?」


ことごとく一護の言葉を否定する冬獅郎


「はは………何でわかるんだ?」

「…そのぐらい、わかる」

「………夢見が悪いだけだ…」

「………」

「……嫌な、あの時の夢を見るんだ……雨の日になると…」

「……そうか」


一護が言う"あの時"とは冬獅郎は知らない…
が、いつか言ってくれるのを待っているのだ


「…………あっ!!」

「………?」


沈んでいた一護が急に明るく弾ける様に声をあげた


「俺さ雨の日はまだ好きにはなれねーけど…」


真っ直ぐ前を見る一護に倣って冬獅郎も前を見る


「雨が降った後の空は好きだな…」


優しく微笑む一護を見て大丈夫だなと冬獅郎は思った


「……そうか」

「うん。虹は好きだ」


雨上がりの空には大きく架かった虹のアーチが美しく 輝いていた

暫く二人は黙って虹を見ていたのだった
















END.
あとがき
……意味不!
私は何が書きたかったのだっ……!

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