おはなし

□とある休日
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 今日は久しぶりに休み。でもここは宇宙の真っ只中…遊びに行くこともできやしない。
 そうだなぁ…セシリーの部屋でも訪ねようか。今は昼ご飯の準備中かな…行くだけ行ってみればいいか。
 ベッドの上でダラダラと伸びたり寝返りをうったりするのも飽きたしな。…というかそろそろ起きないと、コイツにいつまでも『コレ』を許すのもなんだか、ね。
 同室のコイツ…この眼帯野郎は、隙あらば僕の尻をさわるという変わった趣味を持っている。きれいな金髪で、男の僕から見てもカッコイイと思う整った顔立ち。大人しくしていれば女性人気間違いなしなんだけど、この残念な趣味じゃあなぁ…。もったいない。
 僕も僕で、慣れてしまったのか多少さわられたくらいじゃ動じなくなってしまった。あまりよくない傾向な気がする。
 こうして僕がいろいろ考えている間も、奴はさわりたい放題。今はさわるというか手を置いてるだけだけど、いい加減にしてもらわないとね、あまり調子に乗せると尻に留まらなくなるからな。
「ザビーネ…僕そろそろ出掛けるよ」
「ほぉ…どこへ行くのだ」
「ぅおっ…と」
 腰を引き寄せられた。何これ…行かせないとかそういう意思表示?
 腰に引っ掛けられた手で、うつ伏せに寝転がってた僕はごろんと半回転させられる。つまり仰向けになり、すぐそばに座ってこちらを覗き込んでいるザビーネと目が合った。まぁいつも顔を合わせてる間柄だし、目が合ったからといってどうしたってこともないんだけど。
 だから普通に質問に答えた。
「セシリーのとこだよ。せっかくの休みだしな」
「ほぉ…」
 ザビーネの顔が近付いてくる。なんでここで顔を寄せるかなぁ…わからん。でもなんか抵抗する気も特に起きなくて、黙って目を細め奴の口付けを受け入れる。
 軽く舌を絡めとっただけの、優しいキス。これけっこう多いんだよな、ザビーネ。
 離れた唇は今度は耳元に寄せられ、軽く口付けられる。僕はくすぐったくてザビーネの肩を少し押した。
「しかし、この時間だとベラ様はご昼食の準備をされているのではないかな」
 おもむろに話しだすザビーネ。しかも僕の耳元で。わりとくすぐったい。
「んーやっぱそうだよなぁ…」
「というわけだ、昼食が終わるまでは部屋で大人しくしていろ」
 今度は首筋に唇を当てられる。
「ちぇ、せっかくの休みなのに…ってザビーネ、くすぐったいってば」
 ザビーネの肩をさっきよりも強く押す。すると少し離れてくれた。本当はもっと離れてほしいんだけど。
「部屋にはいるけど、こういうことはしないからな」
 僕はキッパリと言い切ってからザビーネの肩を押して、自分の腕の長さ分距離をあけた。ザビーネの不服そうな顔がよく見える。
「…ここまできたのに、か」
「うん、しない」
 ぷいっと横を向く。ここまでって、キスしかしてないし。
「………」
「しないよ」
 ザビーネはすごく納得のいかない表情をしているけど、僕には知ったことではない。そんな気分ではないし、というか昼間っからこういうことしようとしているザビーネが明らかにおかしいだろ。
 僕がここまで言い切ったら絶対にしないことをザビーネは知っている、はず。…だって、僕が流される状態だったら、もうとっくに流されてるだろうから。
「……そうか」
 諦めきれない様子だったけど、苦い顔でゆっくりと離れていくザビーネ。
 僕は上体を起こし、ザビーネと目線を合わせた。
「そんな顔するなよ。ほら、せっかくなんだし昼食の時間まで話でもしようよ」
 僕が笑って言うと、拗ねているようにも見えたザビーネの表情が少し和らいだ。
「ふむ…それもよいか」
 よし、機嫌直ったかな?
さーてなんの話しようかなー昔のセシリーの話とか聞きたいなぁ。
 うん。昼食まではあと少ししかないけど、今日は休みだからな。じっくりセシリーのことを聞くことにしよう。



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ザビさんがただの変態だぁ。
そして書いた自分が言うのもなんですが、
ブックたんセクハラに慣れ過ぎなのぜ。
ホントは拍手用に書いたんすけど、
予定より長くなってしまったのでこっちに載せますた。
2010.12.12

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