Your expect language

□a change
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僕は君を想い

君は僕を想い


君は心を閉ざした。

【Your expect language-a change】



『死にたい』

君はずっとそう言っていた。僕の目の前だろうと、構うことなく。

…なんでだい?
なぜそんなことを言うの?
僕に拒絶されて、嫌だったから?

僕だって
君が死ぬなんて…



「ぼうや」
「……」

今日も君は無言。挨拶さえも無表情な顔をこちらに向けるだけで終わる。

僕の犯した過ち。そのせいで彼は心を閉ざした。
感じることを放棄し、考えることを拒絶し、喋ることを忘れた。
彼はいわば人形。

「おはよう。…まだ、喋れないかい?」
「……」

僕の言葉を聞くようにはなったが、反応まではしてくれない。空っぽで虚ろなマオぼうや。

「……」
「…、なぁに?」

赤い目で僕に何かを訴えてくる。
暗く、澱んだ瞳で。

「……」
「…だいじょうぶだよ、離れないから。
好きだよ、ぼうや…」

ちゅ、と軽くおでこにキスをする。
彼はぎゅ、と僕に抱きついてきた。

君の欲しがるコト

わかるようになりたい。



ある日、ぼうやは僕より先に起きていた。

「どうしたのぼうや、早……」
「…っ」

瞳からは水…涙が流れていた。

「夢…悪い夢でもみたの?」
「……っ」

ぼうやは泣きじゃくるだけ。

僕は君の心は覗けない。

悔しかった。



「サレ」
「何、ミリッツァ。珍しいね」
「マオから聞いたんだが」
「…ぼうやから?」

僕とも話そうとしないのに?

「一言、ボソッと言っていた
『ボクが死んだら…』と」
「な…?」

死んだら…?

…死…


――ガタン


サレはマオを探しに辺りをうろついた。

「ぼうやっ!マオぼうやっ!?」

どこにいる?
こんな時、残酷にも城は広かった。

いくつか角を曲がり、別の場所へ行こうとした時。

「サレ!マオはここだ」
「ッ、将軍」

そこに現れたのは、マオを連れたミルハウスト。

「少し気になったのでな…送り届けに…
…マオ?」
「……」

将軍から離れ、逃げ出そうとするぼうや。

そんなに、僕といるとつらい?

僕はぼうやに抱きついた。

「…っ」

ぼうやの瞳に動揺が表れる。

「…どこにいくんだい」
「……」

ぼうやは答えない。
僕は消え入りそうな声でぼうやに言った。

「死なないで…離れていかないで…ねぇ」
「……」
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