Your expect language
□tracks of bonds
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過去を手に前へ進む君と
今に苦しむ僕との隔たり。
【Your expect language--tracks of bonds】
「………」
なんで僕…こんなことしてんだろう、と少し微妙に思ってみる。
朝方マオぼうやがミリッツァに誘われて城外に出掛けて行ったから暇だったのを…将軍に見つかったわけなんだけど。
「………」
あぁ微妙だ。
…何が微妙かって?
「将軍…」
「なんだ?」
「なんでキミは僕の部屋で当たり前のよーに書類片してるのかなぁ…?」
言葉の通り、僕の部屋で書類を片してる将軍がいるのだ。
「なんでって…私の部屋に呼んでもすぐに逃げるだろう」
「当たり前じゃないですか?僕は王の盾、将軍は一般兵隊、接点まずないですからね」
「つれないことを言うな」
「僕は縛られたくないだけなんだけどなぁ…もういいです、書類終わったら僕に声かけてください部屋から出ていきますから」
「そうあからさまに嫌がるな、話があるのだ」
「聞きたくないですね」
一通り口論し、これ以上長居は無用だと思ったので部屋から出て行こうとする。
ああ、暇だからって何故将軍に捕まらなければならないのか。
そう頭の中で嘆きつつドアノブに手をかけた時だった。
将軍が書類から目を離して僕を呼び止めた。
「待て。話というのは私が聞きたいことがあるという話だ」
「…なんですか」
つまらない質問はお断りですよ、と皮肉を口にしてみる。しかし将軍はつまらない質問はしないと言いたげだ。
「最近お前の様子が気になってな。
…疲れてるんじゃないのか」
「疲れてますよ?毎日毎日職務ばっかりですからねぇ」
「身体的にではない」
「………じゃあなんだっていうんだい」
ミルハウストの瞳が僕を観察するように見ている。なんだかムカつく気もするが、あちらの意図がわからないため我慢しておく。
「マオに対する態度だ」
「………な…」
なんで、と口にしそうになって慌てる。
疲れている、の意味に心当たりがあるからだ。
「お前の仕事はワルトゥが故意に減らしているから仕事疲れの負担は減っているはずだ」
「よくやるねぇお年なくせに」
「真面目に返事をしろサレ。…お前は「いいんだよ!」
詮索するような言葉が嫌で言葉を遮る。
その態度に、ミルハウストの瞳がますます強みを帯びる。その瞳も嫌だ。はやくここから出ていきたい。